2012年5月22日火曜日

「一物一価の原則」と貿易と言う裁定取引【経済学的視座での論考】


ネットの時代になり、物の価値が安いものに収斂するといった現象が至る所で起こっていますが、これがTPPが導入されたらどうでしょうか?国境と言う見えない大きな垣根が多くの日本人の雇用を守ってきたわけですが、言葉などの非関税障壁が無くなったら、日本市場はボロボロになってしまうだろうなとTPPの怖さを予想しています。世界の工場として、失業を世界に輸出してきた中国ですが、無尽蔵にある廉価な労働力を使って、富を獲得してきましたが、日本と同じ過剰雇用、過剰債務、過剰設備の三つの過剰に直面してきました。これからどう舵取りをするのか歪んだ市場の動向が見ものですね。「水は高いところから低いところに流れる」と言い、熱力学の観点からも温度は高いところから低いところへ流れるということを踏まえても、今後、今の流れが変わると言うことはよほどのことがない限りなさそうですね。

今までは、情報の格差から一つのものに、いくつも値段がついており、消費者もコロッと騙されてきましたが、ネット全盛の時代では、少しでも安いところに顧客が集まるようになりましたね。果たしてこれが自分たちが買う場合だったら良いのですが、買われる立場になったらどうでしょうか?特に労働力を提供する側として、同一労働同一賃金の海外的な考え方が導入されたら、多くの人たちは思いっきり賃金が下がってしまうことになると思います。

あと、思ったんですけど、貿易って時間軸が若干長い裁定取引だなと。当然、世界各地、原料の生産地によって原材料の値段が違うわけですし、それを加工するための労働力や電気料金、工場などの土地代金や機械の代金、電気料金などが製造原価に加味される訳ですが、作る場所によって値段が違うのは当然です。特に加工する人間の人件費が高ければ、当然、製品価格にそれが転嫁され、通関や輸送などにおいてもコストの高い場所であればそれがしっかりアドオンされるわけです。そんなこんなで、為替のことも含めて、世界最適地生産という概念が生まれ、コストの安い場所で作った工業製品や原材料などを輸入して、その差額を儲けてきたのが貿易ですが、貿易の流れも今後大きくかわりそうですね。殆どは為替に振り回されることになるんでしょうが、今までの世界の歴史上、こんなに短期間で為替がこれほどのボラティリティをもったことはないとおもいますからね。

こんな経済学的視座でたまには見てみるのも面白いかもしれません。


●一物一価の原則
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E7%89%A9%E4%B8%80%E4%BE%A1%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

●裁定取引
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%81%E5%AE%9A%E5%8F%96%E5%BC%95

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