2012年5月24日木曜日

ムスタファが先かドンキホーテが先か?【圧縮陳列と商品のジャングル・迷路】

ドンキホーテがムスタファをお手本にしたっていう話を過去に聞いたことがありますが、どちらが先なんでしょうね?「卵が先か、鶏が先か」的な議論ですが、おそらく、こっちは、どちらかがビジネスモデルを模倣したと見ていいでしょうw で早速、時系列で見てみると、1978年に創業者である安田隆夫氏がドン・キホーテの原点となる小規模店舗「泥棒市場」を杉並区上荻四丁目(西荻窪)に開業させたのに対し、ムスタファの創業者であるインド人ビジネスマンであるムタック アハマッド(Mustaq Ahmad)が1971年に事業をはじめたことから、ムスタファの方が早いですね。ちなみに、ムスタファの創業者は、毎回シンガポールの長者番付にも良く出てくるくらいの著名な事業家です。さて、24時間営業はどっちが先に始めたんでしょうね。余談ですが、よく思うことは、「セブン・イレブン」という名前は、7時から11時までオープンしているということが語源なんですが、これは、今の時代、24時間営業の店舗が殆どな訳ですから、「ゼロ・ゼロ」とか「トゥエンティフォー」とかに変えたほうがいいんじゃね?詐欺ジャンとすら思うことがありますw

この頃って、「電子立国日本の自叙伝」なんかが一番分かりやすいんですけど、日本の黄金時代だったなーと。家電を含む電機業界、いわゆる弱電も重電(日立、東芝)も一緒くたにした総合電機も含めると、1億3千万人の人口の国によく、こんな11社もあったもんだなーと思うくらいで、あの頃の日本は最強だったなーと。海外からパクッって自分のところの味付けをしていても、市場は腐るほどあったんですよね、この時代は。松下電器がマネシタ電器と言われても、その品質の良さは折り紙つきでしたからね。

1)日立製作所
2)ソニー
3)パナソニック
4)東芝
5)NEC
6)富士通
7)三菱電機
8)三洋電機(現パナソニック)
9)シャープ
10)日本ビクター (実質パナソニックの子会社)
11)パイオニア

確か、私の記憶によると、くろねこヤマトの宅急便のヤマト運輸の創業者である小倉昌男氏は、その宅急便というビジネスモデルをアメリカでDHLだったか、FEDEXだかを見て気づき、同じくアメリカの アライド・ヴァンラインズ社と提携してノウハウを吸収したという記憶があります。ホント、基本的に海外では、日本人の発想では考えられないことが行われていたり、更には普段当たり前だと思っていることが当たり前ではないことに気づかされますが、数十年前までは、欧米の企業が結構手本になり、そこからさまざまなノウハウを吸収し、独自の地位を獲得した企業も多いと思います。

いま、まさに東南アジアでは、日本で20年前、30年前に起こったことが再現されており、マレーシアのルックイースト政策が代表的ですが、雁行型のキャッチアップ型経済が日本を手本にして行われており、すさまじい勢いで日本で成功したビジネスモデルの展開が行われています。これは、日本市場が少子高齢化によって縮小しており、更には人件費等の高止まり、市場として成熟しつくしてしまって競合相手が極めて多いことなどの要因から、糞詰まりとも言えます。

まだ、世界を探せば、このようにヒラメキは隠されており、様々なビジネスがあると思うのですが、小売業界は大手資本の寡占状態であり、貿易も商権はほぼほぼ有力会社に抑えられてしまった現状を踏まえると、10年、20年前とは時代は大きく変わっちゃいましたね。活路があるとすれば、IT系やネット系でしょうが、余りにも陳腐化の早い分野で変化の早い分野なので、5年以内にごっそり稼ぐくらいの気持ちがなければ難しいかなとドンキとムスタファを分析して思いました。

まぁ、初めてドンキホーテに行ったときは、あの圧迫感のある圧縮陳列は本当に圧倒されましたね。そして、迷路のなかを進んでいくと、お目当ての商品があるという、達成感、本当にマーケティングがうまいですわw

●ムスタファのHP
http://www.mustafa.com.sg/index.asp

●ドンキホーテのHP
http://www.donki.com/index.php

●統計が語る人口ボーナスと雁行型経済
http://www.akudaikan.com/2012/03/blog-post_17.html





2012年5月23日水曜日

チバリーヒルズ【本当の名をワンハンドレッドヒルズ:バブル経済の遺跡】

東急不動産がバブルの絶頂期に開発、分譲を行った「ワンハンドレッドヒルズ」は、チバリーヒルズと呼ばれ、お金が有り余る企業のゲストハウスや節税対策として売り出されたものの5億から15億と言う価格と都心から中途半端な距離なため大量に売れ残ったと聞きます。おまけに家はアメリカチックなつくりのため、冷暖房代が嵩み、一月の電気代が30万近くになると言う話も聞きました。

学生時代によく行った、鎌倉のすぐお隣にある逗子マリーナの丁度、上に位置する披露山公園のお隣の高級住宅街は、反町さん夫婦などの著名人が今もなお住んでいるものの、チバリーヒルズはうまくいっていないようです。まぁ、場所が都心から遠いって言うのが一番大きいと思いますけど・・・。たまにテレビで、豪邸訪問とかやっていますが、成金趣味的なのが多くて、趣味のいいのはなかなかなかったりします。その点、アメリカやイギリスは、ホントお洒落な家が多いですよね。映画のロケでそのまま使ってもいいぐらいですからw その意味で華僑の家もハリボテ系の見掛け倒し系の家がとてつもなく多いです!!柱もローキックをすると折れそうな感じなのが多いですし・・・・

その点、シンガポールとマレーシアは、胡散臭い感じの外見が見掛け倒しの家があまりにも多いんですよね!!オーチャードの奥まったところ、6Thアベニュー、ブキティマ、マリンパレード地区なんかの住宅はとってもお洒落なところが多いんですが、ハリボテ系のところが結構多いです。外国人が唯一買うことができるというセントーサコーブ(オーストラリアのゴールドコーストにあるサンクチュアリーコーブやホープアイランドをパクった)は、それなりにすごいですけど・・・・。

あと、話は戻るんですけど、よく、舞浜のディズニーランドとは反対側の高級住宅街が千葉リーヒルズと呼ばれますが、本家本元はワンハンドレッドヒルズです。ちょっと前は、白金ーゼ(シロガネーゼ)とかに対抗してマリネーゼとか呼ばれていたみたいですが、地震で液状化して、下水が機能せず、トイレも流せず「ウンコナガレネーゼ」と改称したと有名でしたw 浦安は高級住宅街として有名で、それなりに地価も高かったようですが、地盤改良がきちんとなされていなかったようで、今回のことで更に地価を下げたと思いますし、埋立地の怖さを実感した人は、お金のある人から敬遠するようになるでしょうね。もともとお金持ちの方は、低地ではなく、丘の上などを好むことが多く、これは山手と言う言葉もあるぐらいで、水はけm日当たり、地盤などが良かったりと色々理由はあるみたいです。

それにしてもバブル経済を象徴するような、建物は、住友不動産、三井不動産、三菱地所の財閥の御三家が手をだしていない分野なだけに、東急もよーくやったなと思いました。東急不動産は、東急電鉄の沿線の田園調布とか青葉台とか、高級住宅の開発に過去成功していますが、ここは駄目でしたね。まぁ、関西の六麓荘町、苦楽園、住吉、御影の昔からの高級住宅街には、かないませんわ。他にも名古屋の高級住宅街の白壁、南山、八事や東京の松涛、番町、麹町、巣鴨、成城、麻布、広尾あたりなんかの有名、豪邸街がありますが、豪邸見学をしたいですわ。

あと、品川の駅前にずとーんとあるうっそうと茂った森の中にある、三菱グループの接待施設の岩崎彌之助高輪本邸だった三菱開東閣(関東閣だとずっとおもってますた)や熱海の駅の裏にある岩崎小彌太熱海別邸だった熱海陽和洞なーんて、接待されてみたいもんですな。ハンドレッドヒルズ如きじゃないぐらいのすごさでしょうに。三井財閥の三井倶楽部なーんかは、外から見えるのであれですけど、三菱のは、全く見えないですからw 染井霊園のお隣にある岩崎弥太郎のお墓だって見えませんし。

ちなみに、三菱は、三菱金曜会のメンバーとして三菱重工業株式会社、三菱倉庫株式会社、株式会社三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社、三菱マテリアル株式会社、三菱地所株式会社、三菱電機株式会社、三菱商事株式会社、JXホールディングス株式会社、三菱化学株式会社、旭硝子株式会社、三菱レイヨン株式会社、三菱製鋼株式会社、三菱製紙株式会社 、三菱化工機株式会社、三菱ガス化学株式会社、三菱樹脂株式会社、日本郵船株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、明治安田生命保険相互会社、 キリンホールディングス株式会社、 株式会社ニコン、三菱自動車工業株式会社、三菱ふそうトラック・バス株式会社、 三菱アルミニウム株式会社、 株式会社ピーエス三菱、株式会社三菱総合研究所、 三菱UFJ証券ホールディングス株式会社なーんかがあります。

縁があれば、誘ってもらえるかなw おっと、ちなみに、三菱鉛筆はこの中には入っていませんし、三菱財閥の一員でもありませんのでw


●ワンハンドレッドヒルズのHP
http://www.one-hundred.com/index.html







それにしても、東京の都心から直線距離で50KMっていうのはさすがに遠いな~。しかも、乗換えまでしなきゃいけないと。都心の世田谷や品川、目黒あたりの高級住宅街とは全くコンセプトが違うのでなんともいえませんが、関東近郊で言うと、逗子や葉山あたりが競合となるのでしょうが、こちらは海が見えませんし、湘南というブランドもありません。これが鎌倉あたりだったら、しっかりと売れたんでしょうがね、きちんとした価格設定であれば。これは、完全に別荘のニーズですけど、船遊びもできないし、かなり中途半端だと思います。伊豆とか軽井沢みたいに避暑っていうニーズでもないですしね。別荘としても、なにか中途半端で、館山あたりの立地にも負けそうな勢いです。



2012年5月22日火曜日

「一物一価の原則」と貿易と言う裁定取引【経済学的視座での論考】


ネットの時代になり、物の価値が安いものに収斂するといった現象が至る所で起こっていますが、これがTPPが導入されたらどうでしょうか?国境と言う見えない大きな垣根が多くの日本人の雇用を守ってきたわけですが、言葉などの非関税障壁が無くなったら、日本市場はボロボロになってしまうだろうなとTPPの怖さを予想しています。世界の工場として、失業を世界に輸出してきた中国ですが、無尽蔵にある廉価な労働力を使って、富を獲得してきましたが、日本と同じ過剰雇用、過剰債務、過剰設備の三つの過剰に直面してきました。これからどう舵取りをするのか歪んだ市場の動向が見ものですね。「水は高いところから低いところに流れる」と言い、熱力学の観点からも温度は高いところから低いところへ流れるということを踏まえても、今後、今の流れが変わると言うことはよほどのことがない限りなさそうですね。

今までは、情報の格差から一つのものに、いくつも値段がついており、消費者もコロッと騙されてきましたが、ネット全盛の時代では、少しでも安いところに顧客が集まるようになりましたね。果たしてこれが自分たちが買う場合だったら良いのですが、買われる立場になったらどうでしょうか?特に労働力を提供する側として、同一労働同一賃金の海外的な考え方が導入されたら、多くの人たちは思いっきり賃金が下がってしまうことになると思います。

あと、思ったんですけど、貿易って時間軸が若干長い裁定取引だなと。当然、世界各地、原料の生産地によって原材料の値段が違うわけですし、それを加工するための労働力や電気料金、工場などの土地代金や機械の代金、電気料金などが製造原価に加味される訳ですが、作る場所によって値段が違うのは当然です。特に加工する人間の人件費が高ければ、当然、製品価格にそれが転嫁され、通関や輸送などにおいてもコストの高い場所であればそれがしっかりアドオンされるわけです。そんなこんなで、為替のことも含めて、世界最適地生産という概念が生まれ、コストの安い場所で作った工業製品や原材料などを輸入して、その差額を儲けてきたのが貿易ですが、貿易の流れも今後大きくかわりそうですね。殆どは為替に振り回されることになるんでしょうが、今までの世界の歴史上、こんなに短期間で為替がこれほどのボラティリティをもったことはないとおもいますからね。

こんな経済学的視座でたまには見てみるのも面白いかもしれません。


●一物一価の原則
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E7%89%A9%E4%B8%80%E4%BE%A1%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

●裁定取引
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%81%E5%AE%9A%E5%8F%96%E5%BC%95

社運を賭けて「シネ(死ね)」と言う携帯を出した韓国のLGが逆に死亡か?




過去に「韓国のLGが「しね」という名前の携帯電話を発売!! 【社運を賭けた会心の作】」とご紹介しましたが、決算の数字を見ると本当に社運を賭けていたようで、携帯事業だけでなく、会社自体が火の車になっているようで、自分が死ぬんじゃないか?と言う声すら聞こえています。 屋台骨が思いっきり傾いているくらいですから、ホントに冗談抜きで社運を賭けたんだなーと思いましたよ。まぁ、私も次の車は、「火の車」にしようかなと考えているくらいですからw 埼玉は、「彩の国」と呼ばれ、熊本は「火の国(火国)」と呼ばれていますが、別の意味で火の国の株を奪いそうな勢いだなw これだけの意気込みで商品を出しているんじゃ、パナソニックもサムスンもとてもじゃないけど太刀打ちできませんわw まぁ、アップルもこの戦略には驚いたでしょうね。

この話題を書いたのは、今日、久々に携帯屋さんを見ていたら、私が過去に衝撃的な出会いをした、「しね」が目の前に突然現れたんですよね!!!運命を感じましたよ。とは言っても中古だったんですけど・・・・・。中古市場でも色褪せぬその感動、今でも胸の高鳴りがおさまりません。で、 思わず衝動買いをしたくなりましたが、余りにも縁起が悪いのでやめましたw つーか、世界的に見ても、液晶事業を見るとシャープも瀕死ですし、LGも肺炎状態、そして、サムスンも相当厳しいと思うんですよね。最後のじょんいる頼みというのも、金正日亡き後の今では期待出来ませんしw それに何ていっても、私自身Iphoneに体が馴染んじゃいましたしw

韓国の大胆さは、いつも驚くんですけど、この携帯には、当時は度肝を抜かれましたよ。いくら私でも、こんな素晴らしいマーケティングは出来ませんし、Iphoneを凌駕するような世界的な名前は、聞いたときは、ホント腰を抜かすくらいの衝撃でしたからw 捨て身になって、背負い投げをして、脊椎を骨折して、半身不随になってしまったような印象すら受けてしまいます。しかし時代背景も悪かったなと、何故なら携帯電話の巨人、ノキアが真っ赤かで、格付けが下げられているくらいですから、そりゃ、LGも無傷でいられる訳ない罠。日本の家電も携帯電話は、おそらくほとんどが生き残っていけないでしょうし。

それにしても私も使っているアップルのIphone、本当に使い勝手が良くて、私の周りでは8割が使っています。そんな事もあって、社運を賭けた「シネ」と言う超大作も、不発に終わり、さらに液晶事業の赤字で台所事情は大変なようです。「死ね」という大胆な名前の携帯を社運を賭けて投入したわけですが、その甲斐なく、一人勝ちのアップル丸に撃沈されたようですね。その度胸と、大胆なマーケティングは評価しますけど、あまりにも力が違いすぎますわ。ということで、ご冥福をお祈りします。韓国はLGとSAMSUNGが双璧ですが、数年後にサムスンとLGがどうなっているのか、楽しみですわ。ひょっとしたら、合併していたりして。


                                           合掌


●韓国のLGが「しね」という名前の携帯電話を発売!! 【社運を賭けた会心の作】
http://www.akudaikan.com/2009/12/lg.html

●LG Shine ※Wikipediaより
http://en.wikipedia.org/wiki/LG_Shine_(KE970)



2012年5月21日月曜日

シンガポールで活躍する三菱地所のアジア戦略【丸の内からの脱却】

私は三菱地所の株主であったこともあり、株主総会にはちょくちょく参加していました。当時は、古い丸ビルの地下が総会の会場だったなーと、たまに思い出します。そして、私が今でもはっきり覚えているのは、長身で白髪の福澤武社長です。株主総会の議長で「お諮りいたします」と淡々と議事を進めていた姿が印象的でした。暇だった私は、議事よりも、総会の後に貰える、三菱地所の傘下にあるロイヤルパークホテルのお土産しか興味がありませんでしたが・・・・、その意味で、この会社は結構私には貢献してくれましたよw

私が三菱地所を保有していたのは、三井不動産、三菱地所、住友不動産と財閥系の大手デベロッパーの中では、含み益が極めて多いということもありましたが、「丸の内」経済学―この街が21世紀の東京を牽引するという福澤武氏の著書を読んでからです。電鉄会社も含め、不動産会社の開発は、、「便利な場所なら、暖簾が無くとも乗客は集まるはず」という言葉で有名な阪急の小林一三などが有名ですが、東急や小田急、西武、東武などの鉄道会社の沿線開発も忘れてはいけません。基本は、インフラを牛耳っている鉄道会社に主導権があり、これがまさに日本的な開発の原点にあったわけですからね。そうは言っても、個人的には、ハワードの田園都市構想が近現代都市計画には息づいているんじゃないかなーと思います。私は、鉄道会社が旗振り役となった開発にも興味がありましたが、やはり既存の街の再開発ということで、丸の内の大家としての三菱地所と六本木の再開発で成功を収めた森ビルに興味がありました。

どうして三菱地所なのかと聞かれると、動機として大きかったのは、三菱村と揶揄される、丸の内で働いていたことも理由としてありました。その当時は旧態依然としたビルが多く、皇居を見下ろしてはいけないという紳士協定なのか、高さは31mで階数もそれに相当する8階に制限されていたビル郡が周りを取り囲み、ビルの内部は異様に太い柱が邪魔で本当に執務スペースも本当にとても窮屈なものでした。その後は、同一エリア内での容積率の移転など様々なスキームが認められ、建ぺい率や容積率の緩和によって開発が緒についた訳ですが、やはり、福沢氏の構想で一気に丸の内の再開発計画・ビルの立替計画が進んだと言っても過言ではないと思います。本当に建て替えには膨大な資金が必要だったわけですからね。

デベロッパーで一番アグレッシブだと思っていたのは、個人的には三井不動産ですね。理由は、京成電鉄と組んで浦安を埋め立てて、住宅地やディズニーランドを作り、その後もららぽーとなどのランドマーク的な商業施設を作っていた三井不動産の積極さには他社の追随を許さないところもありました。しかし、私は、横浜のみなとみらいにある旧三菱重工の造船所の跡地の開発計画より後は、横浜ランドマークタワーと言うくらいですから、ホント目印としての機能を果たし、財閥系デベロッパーの双璧でもあり、三菱の御三家にははいりませんが、グループの底力を見たような気がします。その前には、アメリカのニューヨークにあるロックフェラーセンターで巨額損失をぶっこいていますが、その後の復活は目を見張るものがあるなーと思いましたよ。ホント、それぐらいの損失で屋台骨が揺らぐような会社じゃないですからね。ランドマークタワーの建設費は3000億円近くで、大株主の大成建設が旗振り役となった訳ですが、今見ても色あせないなーと。あとは、超高層のはしがけではありませんが、池袋のサンシャイン60も忘れてはいけないなと。

それよりも日本経済新聞の一番裏にある「私の履歴書」に福澤武の回顧録というか自叙伝が書かれていたんですが、それを見て驚きましたね。何といっても、結核で6年送れて入社と言う、財閥系ではあり得ない採用をしていたからです。福沢諭吉のひ孫と言うこともあり、慶応の幼稚舎は出ていたものの、中学と高校は行っておらず、大検をとって慶應義塾大学法学部に入学をしたという・・・・。当時は体が弱く、運動もできなかったので、勉強ばかりしていて成績は良かったと書いてありましたが・・・・・・驚きですよ。

ホント、私は古河総合ビルの一階にあった丸の内カフェ(その後は東商のお隣に)が結構お気に入りだったんですが、三菱商事の傘下に入ったコンビニのローソンが店を出したり、ワインショップのエノテカができたり、著名シェフのミクニさんがレストランを出したりして、街の雰囲気は一気に変わりましたね。古臭いオフィス街がここまで変わるのかと思ったくらいです。あと、街づくりでは、イオンに吸収されましたがショッピングモールの開発で有名なダイヤモンドシティですね。この会社は、確か、三菱地所の子会社だったと記憶しています。製造業のリストラブームで、工場の跡地などに巨大なショッピングモールを誕生させた先駆けのような気がしたと・・・・・。それにしても、丸の内は土日は全く活気のない街だったものが、ブランド店などの誘致で一気に華のある街に変わったなーと。

そんな、過去の三菱地所の戦略を見てみると、東南アジアへの展開は、大手不動産会社の中では、三井不動産や東急不動産に遅れていたと言うイメージがありましたが、ここ最近はとてもアグレッシブですので、何かやってくれるんじゃないかと思うほどです。ちなみに、二人三脚のパートナーとして、シンガポールの不動産会社の双璧であるケッペルとキャピタランドのうち、後者のキャピタランドをビジネスパートナーとして選択していますが、東南アジア諸国にアホみたいに投資をしているので、今後の活躍が楽しみです。

ビジネスとしては、キャピタランドの傘下にある上場REIT であるキャピタコマーシャル・トラストとの共同事業で、ビジネスの中心地であるラッフルズプレイスに「Market Street Office Tower」というビルを建設していますし、郊外のMRTのインターチェンジであるビシャンの駅のまん前にも、ビシャンセントラルといってコンドミニアムの建設を行っています。ちなみに、ベトナムでもキャピタランドと二人三脚で事業を行っているとの事ですから、まだまだ伸びしろのある東南アジア地区での開発への勢いは当分は止まらないだろうなと。もともとグループの総合力ではナンバーワンであるだけに、アジアの時代のこれからの台風の目として、三菱地所の活躍に注目したいですね。


●キャピタランドのHP
http://www.capitaland.co.jp/en/news/news.html

●三菱地所のHP
http://www.mec.co.jp/

●【企業特集】三菱地所丸の内頼りから脱却できるか成長託す“丸の外”戦略の成否
http://diamond.jp/articles/-/9008
10年3月期の賃貸用不動産の含み益が2兆0559億円というのは、簿価が数円程度で、時価との差額がほぼほぼ利益になると受け止めています。おそらく、含み益も会計の原則に則り、保守的に計上されているでしょうから、おそらく、3兆円はいくのではないかなと個人的には思っています。

●「丸の内」経済学―この街が21世紀の東京を牽引する 福澤 武著
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E4%B8%B8%E3%81%AE%E5%86%85%E3%80%8D%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E2%80%95%E3%81%93%E3%81%AE%E8%A1%97%E3%81%8C21%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%92%E7%89%BD%E5%BC%95%E3%81%99%E3%82%8B-%E7%A6%8F%E6%B2%A2-%E6%AD%A6/dp/4569613640

2012年5月20日日曜日

シンガで続発する中国本土人の事故【シンガポール人から非難轟々】

ブギスでフェラーリが日本人女性を殺した事件だけでなく、直近は本土から来ている中国人が信じられない事故を立て続けに起こしているようですね。ブギスでのフェラーリの事故は、160KM超のスピードで赤信号に進入し、衝突したタクシードライバーだけでなく、乗客の日本人女性をも巻き添えにさせたと言う言語道断のものですし、他にもチャンギ空港に向かっているタクシーで、ドライバーにもっと急げと罵り、喧嘩になり、タクシージャックをして空港まで向かい、空港のアプローチで清掃中の方をひき殺してしまう事故を起こしています。また、中国人のSBSのバスの運転手がセンカンで年配の女性をひき殺し、そのまま30秒間も引きずっており、救護措置も全くしなかったという信じられない事件があり、シンガポール人が、マナーや常識の無い、中国本土人を非難していると聞きます。特に、このフェラーリのドライバーの家族は、被害者に謝罪することは全く無く、ネット上での非難を逆に批判していたとのことであり、シンガポールの国民感情を逆撫でしているような印象すら受けます。3人の尊い命を奪っておいて、逆に食ってかかるって、すごい神経だなと思いますよ。間違いなく、私だったらそんなことは出来ませんねw オマケに、親は金持ちだが、彼は自分で稼いだなーんて、全く関係ないことを抜かして失笑を買っているらしいですし。ちなみに、このフェラーリ599GTOは親に1年前の誕生日に買ってもらったと言うことです、気になる価格は、日本では5千万くらい(4,272万円)ですから、シンガポールでは、軽く一億円を超えてますな。ホント、話を聞けば聞くほど、滑稽だなと。そりゃ失笑も買いますわw

なお、あるニュースによると「この人は間違いなく汚職官僚の子供です。多くの汚職官僚がシンガポールに来て、マネーロンダリングをやっています。シンガポールには多くの中国官二代がいます。やりたい放題です、眼中人なしです。報いを受けるのも悪くないです。目が覚めるかどうか」とか、「中国ではお金で全てが解決できると思っています。彼らのやり方はこの社会とは相容れません。皆から嫌われています。まず自分を見るべきです」と言われているようであり、金で全てを解決できると思っている人たちに一石を投じる流れになると思います。それにしても、拝金主義で高級車に乗っていることを見せびらかす人の多いこと多いこと。ホント、面白いほどステレオタイプですわ。まぁ、ベンツやBMWだったら、起業家とか会社のオーナーなんだで済まされますけど、フェラーリはね~・・・・・。素人は乗らないでしょ、普通。よほど虚栄心の強い人じゃないとね。

加害者のフェラーリのドライバーは個人投資家となっていますが、実はマネーロンダリングマンで、月収1ミリオン(6000万円以上)あったとの噂もあり、助手席に乗っていた武漢の中国人女性は、学生ビザで入国しているKTVの女性と言う噂もあります。ホント、日本人はマナーが良く、約束も守り、色々なところで尊敬をされていますが、本土の中国人は行く場所行く場所で嫌われています。シンガポール人は彼たちを「Main Land Chinese」と言って、白い目で見られているケースも多いです。実際、全てが悪い訳ではありませんし、中には極めて真面目にルールを守り、きちんと生きている人もいますが、正直、割合的に言えば極めてマナーの悪い人が多いです。フェラーリやランボルギーニ、ベントレーのような高級車を乗り回している若者は、たいてい中国の本土から来ていると聞きます。歩行者に対しても傍若無人な態度をとり、交通ルールをまともに守る人の方が少ない印象を受けます。日本人にも会社の看板や親の地位などから、小さい頃から勘違いしている人もいますが、割合的にはそれほど多くないですからね。

最近、シンガポーリアンの外国人に対する不平不満が高まっていると聞きますが、国内での雇用が外国人に奪われ、更には、治安が悪化している原因があるとすれば、やはり、原因はここにあるんじゃないでしょうか。私も、嫌な思いをしたのは、一度や二度ではありません。お金を持てばある程度、精神的にもまともになるんじゃないかと思いましたが、逆にあの人たちは、更にエスカレートして、酷くなっているような気がします。おそらく、このように立て続けに起こっている事件を踏まえると、素行の悪い外国人の排斥の動きが出てきてもおかしくないと思います。普通に考えたら20代や30代の若者がフェラーリ、ランボルギーニやマセラティを乗り回すのは常識的にはおかしく、悪事に手を染めていると考えるのが普通ですからねw 普通のシンガポーリアンは結構つつましい生活を送っており、何千万円相当もする高級スポーツカーを乗り回す人たちが白い目で見られているのも事実かと。ホント交通ルールを無視するDQNドライバーは免許剥奪してもらいたいですよ。

コンフォートタクシーは、今回の事故を受けて、全てのタクシー車両に車載カメラ(ドライブレコーダー)を搭載すると言うことになったと言いますが、DQNなドライバーが増え、平気で嘘をついている現状を踏まえると、当然の流れかと思います。実際、フェラーリの件も、SBSのバスの件もしっかりと車載カメラが、その一部始終を捉えていますし。これから、DQNなドライバーを排斥するためにも、車載カメラが標準化される流れを辿ってもらいたいと私は強く願っています。ちなみに、今フォーとタクシーをヒュンダイのソナタから、トヨタのカムリあたりに代えてもらえるともっと嬉しいですね。

ちなみに、私も中国人にありえないぶつけられ方をしたんですが、相手が不誠実(中国本土のドライバーで英語が全く出来ず)で、超困ったことがあり、嘘をつかれ、無視をし続けられたことが過去にあり、上司にドライブレコーダーの導入のお願いをしたのですが、たったの300ドル相当のカメラに費用対効果と訳の分からない錦の御旗をふりかざされ、即却下されました。もうね、アホかと馬鹿かと。起きてからじゃ遅いし、嘘つき中国本土人から自己防衛、企業防衛のために保険と思わなきゃと言ったんですけど、この人は頭の弱い人で、全く理解してくれませんでした。使い古した表現ですが、豆腐の角に頭をぶつけて氏んでもらいたいとおもいますた。ちなみに、この人は保険のポリシーを全く理解しておらず、口癖は「日本とシンガポールは違う」で、馬鹿の一つ覚えみたいに同じことを言うんですが、保険会社の人から「殆ど一緒です」と言われて、急に無口になっていました。更には、無事故による割引のことも知らずに、保険は使いたい放題だとも思っていたようで、あいた口がふさがりませんでしたw こんな人もいるんですね。言い訳は、「日系の保険会社だから内容は一緒なんだ」と言っていましたが、相変わらず矛盾だらけで、突っ込みどころ満載でした。ホント復活担保とかの詳細は違いますが、世界中基本的な枠組みは同じだと説明しても、全く聞く耳を持たず、本当に呆れましたよw ホント、ハムスターがこの人を動かしているんじゃないかと思うことが結構あります。


●Cleaner hit by taxi at Budget Terminal, dies Published on Mar 17, 2012
http://www.straitstimes.com/BreakingNews/Singapore/Story/STIStory_778637.html

●Woman, 66, dies after SBS Transit bus hits her Published on Apr 4, 2012
http://www.straitstimes.com/BreakingNews/Singapore/Story/STIStory_785096.html

●2 dead, 3 injured in three-way crash near Bugis Junction Published on May 13, 2012
http://www.straitstimes.com/BreakingNews/Singapore/Story/STIStory_798429.html

胴上げ型から騎馬戦型、肩車型へ【社会保障と人口動態】

前から、くどくど何度も書いていることなんですけど、ホント人口が増え続けている国、しかも人口動態がピラミッド状態になっている国とそうじゃない国は全然勢いが違いますね。人口ボーナスから、人口オーナス、私が常に述べている、組織という組織はピラミッド型でなければ殆どが維持できないという持論をまさに表しています。古今東西、形は違っても、大きくても小さくても、赤字でも、黒字でも、組織運営って言うのは、それほど大差はないと思っています。今は、ITに取って代わられていますが、ベースにあるコンセプトがしっかりとしていなければ、どんなに良いツールを使っても駄目駄目です。

使い古された表現ですが「富士山型」のピラミッド状の人口分布が、「釣り鐘型」になり、足元がえぐれだし上部が膨らんだ「壺型」になっているのは、視覚的にも不安定で、これから訪れる少子超高齢化社会の怖さを実感させます。昔は「胴上げ型若しくはおみこし型」と言われ10人で一人のお年寄りを支えていたのが、2010年には高齢者1人を現役世代2.8人で支える騎馬戦型となり、2050年には1.5人程度で支える「肩車型」への移行が余儀なくされるわけで、相当厳しいなと。お神輿を担ぐような時代が理想なんですけど、先進国になって、物価も高止まりしたら、昔には戻れないんですよね。医療水準も極めて高くなり、人生50年から、人生80年に前提が一気に1.5倍以上にこの半世紀で社会構造が急激に変わってしまいましたからね。

過去の年金とかは、高度経済成長とインフレを前提にしてものであり、デフレの現状には全く即していない訳で、そういう議論がなされておらず、むしろ先送りされていると。そんなところに問題の本質があるんじゃないかと思います。つーか、シンガポールの年金は、自分で自分を養うという考え方の下に成り立っており、ホント、合理性はあるんですよね。私は、過度なセーフティネットとは、勤労意欲を削ぎますし、モラルハザードを惹起し、社会の活力を削ぐことになると思っているので、反対の立場にいます。

確かに、社会的弱者の救済は当然必要なものですが、今の世の中を見ていると弱者であることを強調して、不当利得を得てるものが極めて多いため、それらをどうにかしないといけないと思います。その前に、焼け太りした公務員の改革が必要なのは言うまでもありませんが・・・・。

今は、日本だけの問題ですが、あと、5年10年もすると世界中でこの問題が火を噴くようになり、大変なことになります。中国などは、人口ボーナスが終わるまでに先進国にもなれず、国内の歪がとんでもないことになり、とても楽しいことになると思っています。

それよりも、人生50年だったものが人生80年になり、1.5倍もの余命になっていることも問題だなと。高度医療だとかも、確かに貢献度はありますが、果たして本来死ぬ人間を無理やり生かすのもいかがなものかと。インドなどは、リーンカーネーション(輪廻転生)の考え方があって、死は日常で当たり前のことですし、それが受け入れられているんですよ根。日本のように、大げさに捉えられることは少ないように感じました。インドネシアなんかも、死は当たり前に訪れるもので、事故や病気で結構簡単に死んじゃうんですよね。まぁ、今まで築き上げてきたものが一瞬にしてなくなってしまう訳ですが、それも運命として受け止めなければ。

●減り続ける日本の人口
http://gendai.ismedia.jp/articles/print/32024