2011年11月11日金曜日

地球0.5%の面積で人類が養える【シンガポールが提言するコンパクトシティ:千個のシンガポール論】

1,000個のシンガポールで、世界中の人口がたったの地球の0.5%の面積で賄えると言う仮説を立てて、検証しているこの本、全てが英語ですが、かなり面白かったです。コンパクトシティ推進論者の私としては、お勧めの一冊です。

それにプラスして言えば、都市部の鉄道推進論者です。エネルギー効率や通勤の便を考えると半導体のように集積度を上げることが効率に直結します。確かに副作用として一極集中やリスクの集中などが見られますが、現代型の知識集約型の産業が中心となった社会では、都市化は回避することができないと考えています。風水都市として香港と並び有名なシンガポールについて、コンパクトシティという面から仮説を立てて検証をしていきたいと思います。エネルギー効率では、面白いことにアメリカのニューヨークがトップに立ちます。東京も個人的な見解ではかなりエネルギー効率は高いと思っていますし、都市圏という括りで見れば、人口は世界一です。

ある意味で、色々な社会実験が国家ぐるみで行われているシンガポール。インフラのパッケージ輸出も水だけでなく、道路や鉄道関係でも行われていると聞きます。この意味では、日本は既に計画から建設、運営、メンテナンスまでの数十年にわたるノウハウがあるので、一日の長があるのは明白な事実です。シンガポールは、空港運営など、今後、自国で蓄えたノウハウを、一発物の建設だけでなく、メンテナンスで手数料などを稼ぐスタイルへ変貌させていく、永続的なビジネスに繋げていくと考えています。水メジャーと言われる、ヴェオリア、スエズ、テムズウォーターなどがやっているビジネスがこれに近いでしょう。ベクテルやハリバートンのやっていることと組み合わせれば極めて大きなビジネスになると考えています。都市国家の事例、そして国自体が経済特区のような事例が大国に通用するとは思いませんが、モデルケースとしては面白いと思います。

基本的にシンガポールはその国土の小ささから制約が極めて大きいため、人材を活用するか、人の上前をはねるようなビジネスしか難しいのだと思います。金融や物流なんかそれに近いところがあります。地域統括会社なんかのハブ機能ですね。本社から、監督できないものを地域統括会社がコントロールすると。それに、域内が、飛行機で数時間以内というのも魅力なんでしょう。ハブアンドスポークの空港や港湾なども本当に、地域の拠点を睨んでやっていますからね。それを考えると、マレー半島の中部、マレーシアの北部を越えた、タイの深南部のプーケットとハジャイの界隈の半島が一番狭くなっているところは40KM程度なので、そのクラ海峡のところに運河をつくることなんか訳ないんですよね。マラッカ海峡の浅瀬を浚渫して、航路を確保したり、潮待ちをしたりすることなんかに比べたら・・・・。ただ、政治的なもので、難しいとは思いますね。シンガポールは華僑の貯金箱ですし。

金融、物流、観光の三本柱以外にも多くの実験が現在進行形で行われており、そこで培った技術やノウハウは輸出されています。冒頭のウォーターハブなどはその良い例です。最適化と効率化のノウハウって省資源にもなりますし、都市化が世界中で進展する中で、非常によいケーススタディだと思っています。実際には、エネルギーや食料等の資源をどう確保するかが一番の問題となるのでしょうが、コンパクトシティのこの提案は面白いです。




●A Model of compact city
http://www.1000singapores.com/


1,000 Singapores can house the entire world  population using only 0.5% of the earth's land area.

【意訳】1,000個のシンガポールで世界の全ての人口を地球の陸上の0.5%の面積で賄うことができる。

最近思うのは、世界的に大量生産大量消費の時代が糞詰まりなっていて、エネルギー多消費型、更に車依存型の社会が限界に来ていると思うので、コンパクトシティに向けて流れが変わるんではなかろうかと思います。実際に、一次産品で最も大切だと言われている原油が1バレル100ドルを恒常的に越えている状態であれば、それはすべてのものにインフレ圧力に繋がります。先進国でも大きな影響を受けるエネルギーは、低所得者層の多い発展途上国ではエネルギーの所得に占める割合が大きくなり、その影響度はもっともっと大きくなります。

モータリゼーションが進み便利な生活を手に入れ、経済発展の緒についたばかりで、このエネルギー高は、本当に大きな影響を与えています。特に、車中心の社会で設計された社会インフラは、極めて無駄が多く、地方では車とは極めて便利が良いものの、都心部に限っては、道路の占有面積やエネルギー効率、公害など殆どすべての面で、鉄道などの公共交通機関に劣ります。皮肉なことに、アメリカのニューヨークのような巨大都市が最もエネルギー効率の高い都市となっているのは驚きですが、おそらく、東南アジアの巨大都市であるインドネシアのジャカルタやタイのバンコク、マレーシアのクアラルンプールは完全な車社会ですから、かなりエネルギー効率に劣ると思います。今のように車中心で発展してしまった現状を考えると鉄道を今後普及させようとしても、相当費用がかかってしまい、仮に地下鉄にした場合は、建設費用を償還することができなくなると思っています。日本や欧米は幸いなことに鉄道から発展するケースが多かったため、その時の路線網に沿って街が発展していますが、東南アジアは完全に車優先で作ってしまったため、鉄道網が余りにも貧弱なのは言うまでもありません。自動車メーカーが道路建設に補助金を出しているのではないかと思うほどです。

シンガポールは、は699.0Km2で、東京23 区の617Km2よりやや大きい程度の国土で、東西が約45KM、南北が23KM程度の国で、チャンギ空港、港湾(ケッペル、パシルパンジャン等)などの社会インフラもしっかり整備されており、ビジネスのソフト面のインフラである金融、法律、会計面でもしっかりと整備されています。これは、イギリスが旧宗主国であることも大きいのですが、弁護士や公認会計士が世界標準として世界のメジャープレーヤーであるイギリスとアメリカの制度で運用できることのメリットが極めて大きいと思います。また、国民の教育水準も高く、英語が公用語として用いられ、国民の殆どが英語を理解することができます。これが、シンガポールが東南アジアのハブとして機能する大きな理由です。ハード面、ソフト面双方からインフラが整備されていて使い勝手が良いこと、更には交通の要衝に場所が位置していると言う地政学的なメリットもあってのことです。

社会インフラで、特に車はその便利さや目に見える効果の大きさが大きく、更には都市計画を決定する人たちは発展途上国では基本的に特権階級に属し、公共の交通機関を利用することはありません。従って、当面のことを考えると鉄道整備よりも道路整備となるのです。しかし、先進国の巨大都市をみると鉄道無くして発展はないのです。理由は、渋滞による機会損失が極めて大きいからです。輸送効率をみれば、大量輸送には車は適していないことになり、慢性的な渋滞が大都市で当たり前になってしまいましたし、出来上がってしまった市街地を再開発するのは容易ではありません。そのような理由から、発展途上国では鉄道の整備が大幅に遅れていると思います。その意味で、日本は割りと早いうちから、国鉄だけでなく、私鉄によって鉄道網が整備されたことは評価すべきことだと思います。個人的には、東南アジアで私鉄を今まで一度も聞いたことがありません。従って、イギリスにしても、日本にしても、起業家が先見の明を持って鉄道敷設を行ったのだと思います。一票の格差の問題もそうですが、地方と都市部の一人当たりの道路の長さについては、もっともっと差が大きいと思います。その意味で、本当に費用対効果のコストパフォーマンスを考えるとコンパクトシティであるNYやシンガポールのエネルギー効率のよさが際立つ訳です。費用と便益について、比較してみると地方と都市部の格差が際立って分かると思います。

世の中とは本当に皮肉なもので、問題を解決しても解決しても、必ず新たな問題が発生するパンドラの箱のようなもので、OA機器や車、携帯電話が我々の生活を便利にした一方で、人間が作ったものが人間を排斥すると言う笑えない状況になっています。

最近よく思うことは、「世の中は便利になったものの、人間関係までは便利にならなかった」と言うことです。American way of life に憧れて、日本はアメリカ型の生活を導入し、東南アジア諸国らも、ルックイースト政策に代表されるように、日本をお手本として雁行型のキャッチアップ型経済で、日本の経済成長モデルを真似して、驚異的な経済成長を遂げてきました。

本来であれば、国とは、人種や言語、宗教など、もともと全くバックグランドが違うもの、その土地の風土に合わせて、悠久の歴史の中で適合してきたと言う歴史的背景がありますので、他国の文化のコピーと言うのは当然歪がでます。過去、白欧主義だとか、農業革命、産業革命など色々ありましたが、それでも時間軸は、人類が許容できるスピードでしたが、第三の波の「情報革命」後は、個人が世界からリアルタイムに情報を得られるだけでなく、今までは、CNNのような世界的なネットワークを持つものや政府ぐらいしか世界に情報を発信することができませんでしたが、タダに近いコストで、個人が世界に情報を発信できるようになりました。しかし、いろんなことが一気にできるようになったため、世の中の制度が対応できておらず、制度疲労を思いっきり起こしていると思っています。

今までは、「情報の非対称性」があり、知識の無い人達は、情報のある人達に暴利をむさぼられていましたが、今では、情報革命のお陰で、多くの人が欲しい情報を欲しい時に、欲しいだけ得られる時代になりました。今までは、一生気づかないで死んでいっただろう人、搾取されていても、それが搾取だと気づかないで搾取され続けていた人達が蜂起する時代となりました。いわば、市場機能に近いもので、モノなども「一物一価の原則」のもと、歪があれば、それが修正され、ひとつの値段に収斂しようとしつつあります。為政者が知識層を虐殺してきた歴史、愚民政策を続けてきた植民地支配をみれば、それは良く分かります。

市場原理主義がここ最近の潮流でしたが、ジョージソロスが言うように市場は常に間違いを犯します。時には、その間違いがあらぬ方向へ一方的に振れ、その歪が元に戻ろうとする時には、とてつもない振幅を伴うことになります。

移動手段、通信手段の高度化、さらにはFTAなどで、国境は限りなく低くなりました。お金も瞬時に世界を駆け抜けるようになりました。そして、人も世界中に気楽に飛び立てるようになりました。しかし、忘れてはいけないのは、序章で述べた国がそもそも成立したきっかけです。同質性が強く、農耕民族である、同じ日本人であっても、考え方の相違や意思疎通がうまくできないことも多々あるぐらいですから、それが人種や言葉が違えば摩擦が起きるのは当然のことだと思っています。これが長い時間をかけて融和が進めば、まだ摩擦は少なくて住むのですがこれだけ、世の中が短期間にかわり、技術革新がこれほどまでのスピードで進んだ現在では、もはや、ゆっくりと融和することは不可能です。

グローバル化、金融の肥大化など、本当に複合的な要因で、今日のトラブルと言うのは起きていると思います。マーフィーの法則ではありませんが、本当に、いくつもの偶然が重なって、ひとつのことが起こるんだなと思うことが結構あります。いま、世界の課題は、エネルギー問題と食糧問題を解決できれば、ほぼ全て解決できると言われていますが、一体どうなるでしょうか?

人類の英知を結集して、今後、ほぼ確実に起こるであろう金融危機、食糧危機が乗り越えることを願っていますが、全てのものが問題を先送りし続けたお陰で、コントロールすることができないほど巨大になってしまい、いまは堤防が決壊するのをビクビクしながら見ることしかできません。リスクさえコントロールできたとさえ思った人類ですが、まさか自分の手で自分を追い込むなんて、本当に皮肉だなと思います。

2011年11月8日火曜日

キャノンか富士フィルムがオリンパスを買収するか?

今の価格であれば、いらない映像分野なんかを解体して、キャノンや富士フィルムであれば、購入可能だと思います。メディカル分野と言うのは利益率が高くて、まだまだ伸びる分野ですし、デジタルカメラみたいに競争がむちゃくちゃ激しくない分野ですからね。むしろ逆に言えば、相乗効果の見込めるといいながら、丸抱えをしてきたレッドオーシャンとも言える、糞みたいに競合が多い分野を切り捨てるチャンスですからね。

キャノンなんかはモロ光学系で、相乗効果がでますし、他の光学系のHOYAやペンタックス、コニカ・ミノルタが駄目駄目なだけに、さらに業界での差をつけるのに好機だと思うんですけどね。私がキャノンの経営者だったら、買いたいなと思います。でも、まだ悪材料がかなり出そうだから、もうちょい待とうかというタイミングじゃないですかね。まだ、真相は闇のなかですし。あとは、デジタルカメラなんかは完全に市場が飽和してきてるんで、利益率の高い医療系というのは、キャノンも手に入れたい部門じゃなかろうかと。逆説的に言うと、今のプリンターやデジカメ、複合機なんかは、もう後数年で、韓国や中国、台湾なんかが相当ちからをつけて、利益率がむちゃくちゃ下がるのが目に見えてますからね。次の一手を打ちたいけど、自社内での育成には時間はかかるし、顧客の開拓も時間がかかるので、目の前でバーゲンセールをやっていたら、喉から手が出るほど欲しいんじゃないかと。M&Aは時間を買うと言いますが、まさにその通りじゃないかと。

あとは、銀塩フィルムが駄目駄目で有り余るお金があるうちに、業態転換しちゃおうという富士フィルムですが、こっちは、光学系の周辺ってことで、今までの客とダブルところもありますし、医療系も少子高齢化が進んで需要がバンバン伸びる分野ですから、抑えちゃいたい分野じゃないのかと個人的には思います。なんせ、金は寝かしておいても簡単に増えませんから、こういう千歳一遇のチャンスを狙って、安く買い叩くというのがいいんじゃなかろうかと。また、利益率が下がってきたらパッケージで、売却すればいい話ですし。

それにしても、純資産が2兆円ほどある会社ですから、逆に資産を有効活用という面からも、悪材料で尽くしの場面で、いきなり、買収に名乗りを上げてもいいんじゃないかなと思います。前の富山化学の買収の時はあまりにも唐突で驚きましたからね。ホント、富士フィルム、金があるくせに容赦なくリストラをし、10年、20年後も高収益の会社で行こうっていう強さをひしひしと感じますからね。ホント、キャノンとか富士フィルムのようなCSRで、外面は良くとも、やってることはえげつないと言う会社、やっぱり、今の時代の生き残る条件なんじゃなかろうかと。

おそらく、このような2社は、経営企画部門がむちゃくちゃ優秀ですから、自社内で育成する場合と買収する場合を考えて、ずっと前からシュミレーションをして、買収妥当価格なども算出しているんでしょうけど、今は、タイミングを狙って、虎視眈々と待っているところじゃないでしょうか。おそらく、インハウスローヤーなんかは、今の悪材料を織り込んだ買収価値の算定のデューディリジェンスもしていると思いますよ。以前のシュミレーションと違って、今は前提が大きく変わってきていますからね。それに、買い叩くネタも色々探してと。

銀行とか証券会社のM&A部門もおそらく、同じようなことをしているでしょう。ディールの額が大きいですからね。証券会社なんか今はボロボロですから、こういう案件で手堅くディールをまとめて、手数料をもらいたいところじゃなかろうかと。地道に融資をしたり、通常の売買の手数料で稼いでもタカがしれてますから、やっぱり、巨額のM&Aでがつーんといきたいというところじゃないでしょうか?

2011年11月6日日曜日

市場は縮小してもヤマダ電機の一人勝ちは続く【9831】

前にも書いたことがありますが、ソニーさえも平伏すヤマダ電機。2年前の電機業界の小売のシェアは30%を達成したはずですから、今では40%を超えているんじゃないかと思っています。

ホント、力関係が逆転ですよね。ソニー、パナソニックすら、群馬の高崎へヤマダ詣でへ行くという、力関係の逆転は、これからもスゴイ勢いで、寡占へ繋がっていくと思います。市場は減っても、シェアはあがると。そして、電機メーカーへの交渉能力はもっともっと上がると。

多くの面で業界の寡占が進み、薄利多売のスケールメリットの商売で、体力の消耗戦が続いています。よほど特色のある中小以外はは大手に飲まれるしかないでしょう。それにしても、あれだけ市場規模が多く、10年前は、ナンバーワンとツーのヤマダ・ヨドバシを足しても市場占有率はたったの10%を超えるのみでした。今は、過半数を超えているのではないでしょうか。それにしても、家電界のガリバー、二兆円企業で純利益は550億円。すげーな。


●家電量販市場、25%縮小=再編「不可避」―政投銀調査
時事通信 11月6日(日)2時34分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111106-00000010-jij-b...

日本政策投資銀行は5日、家電量販店の市場規模が2012年には、10年(6兆円)比25%減の4.5兆円に縮小するとした調査結果を明らかにした。地上デジタル放送移行に伴う買い替え特需が終わり、テレビの販売台数が急減するほか、パソコン販売額の減少も避けられない。政投銀は「量販店の合従連衡は不可避」(産業調査部)とみる。調査結果は来週発表する。
 政投銀によると、12年の薄型テレビの国内販売額は1兆円を下回り、10年比5割超の減少となる見通し。パソコンは単価下落が直撃し、12年の販売額は5000億円弱と10年比3割減となる。
 家電量販店はテレビ、パソコン、白物家電が中核。白物の販売規模を維持できても「12年以降、既存店ベースの売り上げは昨年に比べて2割は減る」(同)見通しだ。

●ヤマダ VS. ヨドバシ「東京決戦」の行方
 http://www.jmrlsi.co.jp/menu/mnext/d02/02/economist0702.html

2011年11月5日土曜日

日本電産つえーな【6594:アップルにも通ずるところがある永守教祖】



永守重信さんの本は何冊も読んだことがありますが、この男は、ホントに哲学のある男だなと思いました。そして、やることは極めてシンプル。「すぐやる、かならずやる、できるまでやる」。アップルにもホントに通ずることが多いんですよね。経営も極めてシンプル。

それにしても、他の会社が被害状況の把握に手間取っている間に、リスク分散、そして今後の生産増強までしっかりと見越しているとは。

この男の事ですから、転んでもタダでは起きず、今回の逆境をむしろチャンスに変えてしまうような気がします。他の会社のIRもみましたが、アリバイづくりに第一報、第二報と出しているにすぎないところがあまりにも多く、今の被災状況の把握、そして今後の対応、そして生産への影響、今後の会社の方針などが全く伝わってこないんですよね。

平常であれば、誰が経営者をやってもある程度は無難に勤まりますが、大将がアホだと、危機に直面すると即死ですからね。永守重信という男は、自ら株をしっかりと持ち、リスクを自分でしっかりと認識しながら、創業者として強いリーダーシップを持ち、危機に直面してもひるまない強さを持っています。

平日は忙しくて分析できませんでしたが、休みの今日、NIDECをしっかりと分析して会社のIRなども見て、改めて、この男の居る間は、日本電産は伸び続けると確信しました。


●決算説明会資料
 http://www.nidec.co.jp/ir/indexdata/2011/1026.pdf

2011年10月2日日曜日

じょんいるの孫がFacebookに?


きむじょんいるという言葉にいつも敏感に反応してしまう私ですが、孫がFacebookに登録をされているらしいという情報を聞いて、早速探してしまいました。っていうか、女しか出てこないんですけど・・・・。ちなみに彼は、ディズニーランドを見に来て、強制送還された金正男さんの息子です。

結構、有名人もFacebookやってるんですよね。アップルのジョブスとか、マイクロソフトのビルゲイツは恐れ多くて、探したことが無いんですけど、意外とオバマとかもブラックベリー経由でやってないかなーとか思っちゃうんですけどね。意外と、ヘッジファンドのポールソン&カンパニーのジョン・ポールソンとか、こっそりとカブトモネット登録していたら、笑いますよね。

個人的には、存在感抜群の、正男さんに超会ってみたいですよ。マカオとかでは、気軽に手を振ってくれるというふうに着てますし。シンガポールとかもカジノをやりに来てるかもですから、会えないかなーって思っています。





●金正日の孫? メディア露出後にフェイスブックを非公開に
中央日報日本語版 10月2日(日)13時10分配信
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111002-00000006-cnippou-kr.view-000
拡大写真
キム・ハンソル(写真上)の承認がなければフェイスブックのアカウントを見られないという案内文。
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の孫にあたるキム・ハンソル氏のものと推定されるフェイスブックアカウントに対する一般からのアクセスが遮断された。自身のフェイスブックアカウントに上がっていた文と写真が先月30日にメディアで大きく報道されたことに負担を感じてキム・ハンソルが自ら一般からのアクセスを遮断したとみられる。

1日午前から「HanSol Kim」という英文名で開設されたアカウントにアクセスすると、鍵の表示とともに「一部の情報のみを一般公開しています」と書かれた案内文が出てくる。前日まではキム・ハンソルのプロフィール写真9枚だけでなく、父親の金正男(キム・ジョンナム)と推定されるキム・チョルらとやりとりした文とコメントを制限なく閲覧できた。結局自身がフェイスブックで「友達」に設定した少数の知人にだけ情報を公開したと分析される。

彼のフェイスブックに上がった写真と文は先月30日にメディアに公開された。当時写真でキム・ハンソルは黄色く染めた髪にネックレスとイヤリングを着用するなど自由奔放な姿をしていた。彼のフェイスブックアカウントには蝶ネクタイをしてパーティ会場でガールフレンドの腰に手を回して撮った写真などがあった。また、キム・ハンソルと対話をやりとりしたキム・チョルのフェイスブックアカウントには金正男の写真とともに金総書記の後継者で金総書記の三男の金正恩(キム・ジョンウン)を「カンフーパンダ」に戯画化した合成写真が登録されていた。だが、キム・チョルのアカウントもやはり1日からアクセスできない状態に変わった。

フェイスブックとともにキム・ハンソルが開設したと推定されるツイッターアカウントとブログも一般のアクセスができないよう遮断された。彼のフェイスブックアカウントの名前と同じ「khsol616」でツイッターにアクセスすると、「承認されたフォロワーのみがツイートとプロフィール情報を確認できます」という案内文が出てくる。彼は43人のアカウントをフォローし、彼をフォローしている人は8人と出てくるが、リストは非公開に設定されている。

また、キム・ハンソルが作ったと見られるインターネットブログもやはり一般人が内容を見られないよう設定されている。ただし関心分野が写真、旅行、食べ物、ワイン、スパなどで、映画ではロマンチックコメディ「ラブアクチュアリー」とフットボールチームを素材にした「リメンバー・ザ・タイタンズ」などが好きだという事実だけ確認することができる。

2011年6月11日土曜日

竹田和平とは何者なのか?【四季報に登場する大株主】

四季報で107社の上場企業の大株主になっている竹田和平とは、一体何者なのか?と気になったのは、頻繁に大株主などで名前が出てくるからです。トラスティとか日本生命とか日本証券金融みたいなのは、理由がわかるんですが、個人で名前がいろんな会社ででてくるって有り得ないですからね。せめて言わせて貰えば、日本電産の永守さんが支配会社の筆頭株主になっていることでしょうか。

この竹田和平さんは、愛知県ではお菓子の城で有名で、日本のウォーレンヴァフェットと言われているそうです。それにしても銘柄を見てみると、小型株が好きなようで・・・・。


●Wikipediaより
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%B9%E7%94%B0%E5%92%8C%...

竹田和平
竹田和平(たけだ わへい、1933年2月4日 - )
日本の実業家、投資家。「タマゴボーロ」で有名な竹田製菓の代表取締役で、107社の上場企業の大株主でもある(2008年3月現在、四季報調べ)。これは個人が大株主となっている上場企業数で国内一位の数字である。

●竹田和平のHP
 http://www.takedawahei.net/

2011年6月10日金曜日

北浜の天才相場師、尾上縫とは一体何であったのか?【単なる料亭の女将】

料亭の女将が銀行からのべの借り入れで約2兆8千億円、そして運用額では数千億円も運用していたと言いますから、村上ファンドやそこいらのヘッジファンドなんかより遥かに大きな金額ですね。それにしても単なる料亭の一女将がこのような金額を運用していた事も驚きですが、早慶や旧帝国大学以上の学歴があり、しかも成績で優が9割以上ないと入れないと言われた超エリート銀行の日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)がコロッと騙された事にはもっと驚きました。聞くところによると大和ハウス工業の創業者である石橋信夫氏の兄である石橋義一郎氏も、尾上縫のところへ足繁く通っていたそうな。

日本興業銀行はIBJ(Industrial Bank of Japan)と業界のなかでは言われていますが、本当に優秀な人が多く、楽天の三木谷さんも興銀出身です。そして、融資先も新日鉄やJFEなどの日本の重厚長大産業で、意味合いが少し違いますが、プロジェクトファイナンスの能力に長けた人たちが事業を精査して、融資をし、日本の産業を育成してきたと言うイメージがあります。

その興銀が2300億円も尾上縫が逮捕された時に融資をしていたと聞いて本当に驚きました。2300億円も丸々焦げ付いたら、東証一部上場企業であっても、即死のところは多いでしょうし、地銀であれば消えてなくなるところが殆どだと思います。興銀マンは、重厚長大の超一流企業の審査はできても、単なる料亭の女将の審査はできなかったとw くどいですけど、単なる料亭の女将ですからね。売上なんかは、あったとしても年商で数千万円が良いところでしょう。バブル経済のときは、許永中のイトマン事件、高橋治則のイアイイ(長銀の大型融資先)とか色々ありましたが、インパクトとしてはコレが一番大きかったですね。料亭の女将という職業、そして融資してもらったお金を不動産ではなく、株式投資に回していたということが常識ではありえなかったですからw ちなみに、許永中を裁判所で見た事がありますが、法廷が防弾ガラスで仕切られており、愛人が目の前で傍聴していました。裁判所は、こういう著名人の傍聴を運が良いと見ることができます。闇の世界のキーマンだけに迫力がありましたよ。小谷光浩とか児玉誉士夫 、小池隆一、末野謙一などこの当時のヒーロー級の悪役の名前は挙げればキリがないですけど許永中は、別格という感じがありました。バブルの紳士は殆どが消えてなくなりましたが、生き残っているのは、銀座や中洲の丸源で有名な川本源司郎くらいじゃないでしょうか。銀座のビルはボロボロに近いですけどねw

当時は色々ありましたね。損失を出すにも2パターンあり、本業か本業以外かということです。本業以外とは、簡単に言うと金融商品とかで損失を出していると言うことです。経理的な視点からすると、営業利益は出していても、経常利益のところで思いっきり特別損失を出しているケースとかでしょうか。リスクの高く、資産と負債を思いっきり抱えるビジネスモデルとしては商社がその代表格ですが、安宅産業がオイルサンドで潰れたことや住専やゼネコン、不動産会社が不良債権を抱えた問題は、あくまで本業やその周辺の問題であり、いわゆる財テクでの損失ではないのがそもそもの問題でありんす。特に、不動産やゼネコン関係は、不良債権を処理しても処理しても、不動産の値下がりが急激過ぎて、処理をしても、再処理と言ういたちごっこでしたし。

日本の「古きよき時代」ですけど、世界の企業ランキングを見ると、その当時は都銀が、世界ランキングの資産の部とか、時価総額とか、いろんな面でトップ10に何行もランキングされていたことは、今の若い世代の人は信じられないでしょうw だって、尾上縫に融資をした消えてなくなった興銀なんかは、世界トップだったんですよw 11兆円以上あり、世界のIBMやGE、オイルメジャーのエクソンすら凌駕していました。今は、時代も変わってフォーブスのランキングを見ると40兆円越えとかありますが、これは世界的に進んだ合従連衡が効いていた事もあります。それにしても、トップ10に6行も日本の都銀が入っていたなんてすごいなw 今、名前が残っているところはもちろん、一つもありませんけどねw それだけ、金融界は、整理がものすごい勢いで進んだんだなと思いましたよ。

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1989年末時価総額
1日本興業銀行114,578
2住友銀行80,578
3富士銀行76,310
4第一勧業銀行70,389
5三菱銀行70,015
6エクソン68,860
7GE64,018
8東京電力62,085
9三和銀行61,813
10IBM59,928
2004年7月8日時価総額
1GE367,102
2マイクロソフト333,664
3エクソンモービル326,394
4ファイザー283,031
5シティグループ259,572
6ウォルマート245,714
7BP214,562
8AIG203,081
9バンクオブアメリカ188,901
10インテル187,404

このランキングの中には入っていませんが、都銀として名を馳せた大和銀行も問題を起こしています。いち嘱託行員の井口俊英氏が起こした国債の損失の隠蔽事件は、大和銀行ニューヨーク支店巨額損失事件として知られ、最終的には大和銀行がアメリカから追放されることにも繋がりました。その頃は、バブルの頃の損失の先送りの為の金融派生商品としてのデリバティブもそうですが、資産運用やリスクヘッジとしてのデリバティブも活用されていましたが、ヤクルトのように巨額損失を出す会社が多かったですね。あと有名どころの巨額損失ですと住友商事の非鉄金属部の浜中泰男さんがLMEの銅の取引で約3000億円も損失を出したが、浮利を追わない住友家の家訓を守っていたのか、住友商事は磐石な財務体質を持っていたのでビクともしませんでしたが、尾上縫は大激震を起こし、貸し付けた銀行に相当大きな穴を開け、バランスシートが大きく毀損したと思います。なにせ、銀行は自己資本比率が製造業とかと比べてむちゃくちゃ低いですからね。業種が違う、リスクマネージメントが全く違う、資産を有効活用しているとか言われたらそれまでですが、自己資本比率が10%を超えたら優良の部類に入っちゃうぐらいですからね、製造業からしたら、そりゃないだろう?と思いますよ。

住専とかいろいろこの頃は言われていますが、個人が出した損失としては、この金額はあまりにもでかすぎます。参加者が少なく、流動性の少ない相場の手仕舞いだったため、損失が拡大した面は否めませんが、住商の3000億円は結構インパクトがありましたね。住友商事の問題は、日本固有の問題であったバブルとは関係ありませんでしたが、バブルの崩壊は余りも大きくあらゆる面で日本の凋落を感じましたね。関西界の経済界を仕切っていたとも言える住友銀行は、名古屋支店長が射殺されたり、東京本部前でバキュームカーがウンコを逆噴射したりで大変な時代でした。それに比べると、住友財閥は個別では色々ありましたが、三菱財閥、三井財閥では、このような話はなかったですね。やはり、関西系とそれ以外ということなんでしょうか・・・・。週間ダイヤモンドのランキングモノでは、常に、「付き合いたくない銀行」のトップを独走していましたが、正直、事務効率や業務純益でも都市銀行というよりは、銀行の中でダントツだったんですよね。決算期に残高証明書を発行するようなことでも、農林中金は二、三人が30分程も要するような仕事のトロさでしたが、住友銀行は、一瞬で発行を終えましたからw 融資先に熊谷組やフジタのようなゼネコンを抱え、不良債権処理でも相当苦労したと思います。また、「闇の世界の貯金箱」とも言われた平和相互銀行なども吸収合併(なお、会社としての存続会社は平和相互銀行でした、おそらく節税のためです)し、それだけでも一般人が精神的にも参ってしまうようなこともこなしてきました。住友銀行出身者と聞くと、今でも敬礼をしてしまうのは、正直、仕事が他の都市銀行や特殊銀行に比べてデキルということ以外に、こういう事情があってのことです。行員は、夜も眠れないこともあったでしょう。街を歩いていても常に注意を払っていて、気が気ではなかったでしょう。今の人は、このことをあまり知らないのでしょうが、それほど住友銀行は、世の中の汚れ仕事を引き受け、こなしてきたのです。また、ゴールドマンサックスへも少なくない金額を出資していたのです。道路公団の解体の時に、藤井治芳日本道路公団総裁が「そんなことをしたら、死人が出る」と言う発言をしましたが、住友銀行が関わった問題は余りにも闇が深く、名古屋支店の支店長も射殺され、実際にお亡くなりになっています。また、住友銀行青葉台支店、なども有名ですし、店の前でバキュームカーがウンコを逆噴射した事件なども記憶に残っています。そんな意味からも、住友銀行には敬意を表しています。正直、裏稼業の人たちがなぜ、危ないことに手を染めるかというと、そこに旨みがあり、儲かるからなんですよね。基本的にヤクザのお仕事は、警察と弁護士とかぶることが多いのですが、警察は国家権力を背景とした国公認のヤクザですし、弁護士もなるにはかなり難しいと。複雑な世界、収益の出るところに果敢に取り組んでいたのが住友銀行です。今はなき「住友銀行とは一体何だったのか?」という名スレでいろいろ語られていましたが、懐かしくなりました。

金余りの時代ではあったとは言え、日本が狂乱していた時代、二度とこんな時代は来ないでしょう。かつては10行以上あった都市銀行も綺麗に整理され、メガバンク3行体制になりましたし、エリートの就職先であった長期信用銀行は全てきれいサッパリ消えてなくなりました。高度経済成長期を終え、成熟期に入ったため、役目を終えたってことでしょうか。本当に隔世の感というか、時代を感じますよね。証券業界も、ガリバーの野村證券がダントツの一番で、あとは大和証券、日興証券以外はぱっとしないですからね。かつては、4大証券とかいって、山一證券(ソロモンブラザーズの副会長にまでなった明神茂氏などが在籍)も入ってましたが・・・・これも消えてなくなり、今では人々の記憶にすら残っておらず、名前すら知らない人も多い時代になりました。女帝尾上縫の件で、色々思い出してしまいましたよ。


●Wikipediaより
http://ja.wikipedia.org/wiki/尾上縫

尾上 縫(おのうえ ぬい、1930年2月22日 - )は、大阪府大阪市千日前にあった料亭「恵川」の元経営者である。

バブル絶頂期の1980年代末、「北浜の天才相場師」と呼ばれ[1]、一料亭の女将でありながら数千億円を投機的に運用していた。しかしながら、景気の後退とともに資金繰りが悪化、金融機関を巻き込む巨額詐欺事件を引き起こした。


【職業】実業家、霊媒師、詐欺師


【人物】

自身が女将を務める料亭の客らに対して、占いと神のお告げによって株式相場の上昇や競馬の勝ち馬などを見事に言い当てるとして評判となり、そのために料亭は繁盛した。バブル景気前夜の頃までには、それらの予想も神懸かり的なものとなり、多くの証券マンや銀行マンらが尾上に群がるようになった[1]。

巨額詐欺自らも銀行から多額の融資を受けて株式の売買を行うようになった尾上は、バブル絶頂期の1988年(昭和63年)には、2270億円を金融機関から借り入れ、400億円近い定期預金を持っていた。また、株取引では48億円の利益を得、割引金融債ワリコーを288億円購入し、55億円の金利を払っていた。

しかし、バブル景気に陰りが見えるとたちまち運用が悪化して負債が増加するようになった。以前から手を染めていた詐欺行為を本格的に始めた尾上は、かねて親交のあった東洋信用金庫支店長らに架空の預金証書を作成させ、それを別の金融機関に持ち込み、担保として差し入れていた株券や金融債と入れ替え、それらを取り戻すなど手口で犯行を重ねた。逮捕されるまでに やがて証書偽造が発覚、尾上は1991年(平成3年)8月13日に詐欺罪で逮捕された。この時点までに尾上らは、ノンバンクを含む12の金融機関から3420億円を詐取していた。また、金融機関からの借入金総額は、のべ2兆7736億円、支払額はのべ2兆3060億円に達しており、留置所で破産手続きを行った際の負債総額は4300億円で、個人としては日本で史上最高額となった。

裁判で尾上の弁護人は、尾上に株式の知識が全くなく、周囲に踊らされていただけであり、責任能力はないと主張したが認められず、懲役12年の実刑判決を受けた。

巨額の融資を行った日本興業銀行は富士銀行と合併しみずほコーポレート銀行(存続会社は富士銀行)となり、また、東洋信金は経営破綻し府下の複数の信金へ分割併合されており共に現存していない。

【巨額詐欺事件】

自らも銀行から多額の融資を受けて株式の売買を行うようになった尾上は、バブル絶頂期の1988年(昭和63年)には、2270億円を金融機関から借り入れ、400億円近い定期預金を持っていた。また、株取引では48億円の利益を得、1987年から日本興業銀行の割引金融債ワリコーを288億円購入し、55億円の金利を受け取っていた。同時期に興銀はワリコーや同行への預金を担保に尾上に融資を始めるが、これは銀行にとっては、焦げ付きのリスクがまったくない、うまみのある取引で、行内では「マル担融資」と呼ばれ、1989年には融資残高は586億円にのぼった[2]。金融の自由化により銀行間の競争が激しくなり、融資先の開拓に苦慮していた興銀は、個人顧客の資産管理を総合的に手伝う「プライベートバンキング」といった中小企業や個人との取引に力を入れており、尾上に対して不動産投資も勧め、1990年8月には尾上の資産管理を行なう「株式会社オー・エヌ・インターナショナル」を設立した[2]。

しかし、バブル景気に陰りが見えるとたちまち運用が悪化して負債が増加するようになった。89年の延べ累計額では借入が1兆1975億円、返済が6821億円で、270億円の利息を支払った。90年末には、2650億円の金融資産を保有していたが、負債も7271億円に膨み、借入金の金利負担は1日あたり1億7173万円にも上っていた[2]。以前から手を染めていた詐欺行為を本格的に始めた尾上は、かねて親交のあった東洋信用金庫支店長らに架空の預金証書を作成させ、それを別の金融機関に持ち込み、担保として差し入れていた株券や金融債と入れ替え、それらを取り戻すなど手口で犯行を重ねた。

1991年8月初旬に尾上は東洋信金の架空証書の件を興銀の担当者にだけ打ち明け、興銀は自行の債権33億円を売りぬけて回収[2]、やがて証書偽造が発覚し、尾上は1991年(平成3年)8月13日に詐欺罪で逮捕された。7億円の保釈金を用意し、1992年3月に保釈[6]。同年6月、大阪地裁で破産宣告[2]。この時点までに尾上らは、「ナショナルリース」らノンバンクを含む12の金融機関から3420億円を詐取していた。金融機関からの借入金総額は、のべ2兆7736億円、支払額はのべ2兆3060億円に達しており、留置所で破産手続きを行った際の負債総額は4300億円で、個人としては日本で史上最高額となった。

裁判で尾上の弁護人は、尾上に株式の知識が全くなく、周囲に踊らされていただけであり、責任能力はないと主張したが認められず、1998年3月懲役12年の実刑判決を受け、2003年4月、最高裁が尾上の上告を棄却し、実刑が確定した[2]。

巨額の融資を行った東洋信金は経営破綻により消滅し、預金保険機構の金銭援助を得て資産(正常債権)を三和銀行が、店舗網は府下の複数の信金へ譲渡された。また、ノンバンク最大の貸し手であるナショナルリースの担当社員が特別背任罪で逮捕されている。同社はこの期の不良債権をグループのサービサーへ債権譲渡し、1998年までに親会社の松下電器が未収債権について損失負担する形となり、2001年に松下クレジットとの合併を経て2010年に「住信・パナソニックフィナンシャルサービス」、さらに2012年に三井住友トラスト・パナソニックファイナンスとなっている。
信仰[編集]

高野山で得度したと称し、日曜日には庭の弘法大師像を拝むことを習慣にしていた。多くの証券マンも訪れて一緒に祈り、高野山や小豆島への参指旅行にも同行した[5]。

1970年(昭和45年)暮れ、清風学園創設者である平岡静人によって、高野山金剛峯寺報恩院で得度の路を開かれた。平岡によって名付けられた得度名は、純耕。

平岡一族との親交は深く、同一族が主催するチベット仏教寺院・ギュメ寺(南インド)への開眼ツアーにも参加している。この際、尾上は2,000万円をギュメ寺に寄進したが、平岡一族は寄進は自身らによるものだと主張している。また、同ツアーで尾上は、平岡ともども宗教指導者・ダライ・ラマに面会した。その後、平岡はダライ・ラマを念仏宗無量寿寺に紹介した。

●バブルの時代、バブルの経済
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