2014年11月2日日曜日

為替、お金の価値も給与、モノの値段等、多くのものが需給で決まる【市場原理により単純労働や事務が駆逐される】

日銀が追加の金融緩和をしましたが、これは消費税10%への伏線とも言えますがもっと気になることは、お金がじゃぶじゃぶ市中に溢れることにより、お金の価値が下がることです。経済学で良く言われることは、付加価値によって新たな価値が創造されなければ、100円の価値が10円に落ちることもあるということです。それが最も解るのが為替相場であり、円安に振れます。輸出をするには良いのですが、海外からモノを買うには、割高になってしまいます。この為替相場が基本的には、国力を反映しています。ただし、為替は複雑で、政治・経済など、様々な要因が関わるので、一概には言えませんが・・・・。ただ、言えることは「悪貨は良貨を駆逐する」と言うことでしょうか。例えば、金の含有量の10%などと少ないものと、純金の100%は同じ貨幣の価値であっても、10分の1となります。金本位制が取られていた時は、金にお金の価値が裏打ちされていましたが、今は兌換紙幣ではなく、紙切れに信用が与えられているだけです。インフレになって、通貨が供給されればされただけ、金貨の純度が下がったのと同じことになり、お金の価値が下がるのです。いやー、アベノミクス、今後が怖いなと思いますよ。

一方で、最近思うことは、単純労働や事務は、ロボットやパソコンに駆逐されるんだろうと強く感じます。これから無くなる仕事、価値が出る仕事、二極化が極端に進むことになると思います。ここまで急激に世の中が変化するとは私も全く予想していませんでしたが、じわじわと世の中は変化し、それが顕在化する頃には、既存のシステムはボロボロになってしまっています。なにかの病気は、自覚症状が出た時には、症状が8割まで進行しており、手の施しようがないと言いますが、まさに世の中がそのような状況になっていると感じます。そうは言っても、ロボットをメンテナンスする機械職、電機職と言ういわゆる機電職の仕事のニーズは無くなるどころか増えると思うので、就くのであればそっちを目指したほうが良いかもしれませんね。

地方の駅前のシャッター通り、バイパス沿いのチェーン店、衣料からホームセンター、外食、電機屋まで見事に地方の零細企業を駆逐し、大手一色になってしまいました。確かに、サービスの良さ、サービスの均質化、スケールメリットによる廉価な値段など、受益者のメリットは多いものの、ぞそれ以上に雇用が失われてしまったデメリットは大きいと思います。

今後、単純事務はどれだけ駆逐されるのでしょうか?実際に、ハローワークの求人を見ると、アベノミクスにより、好景気になった今でも求人は0.15倍と、100人の応募に対して15人しか求人が無く、それも給与水準は低いものしか基本的にはありません。一方で建設など、東北の災害復旧やオリンピックなどで人手不足になっている分野は、3倍と、100人の求人に対して300人分の仕事がある状況で、需給のバランスが大きく崩れています。多くの人は、エアコンの効いた快適な室内で汚れない仕事をしたいと思っているのでしょうが、オフィスの仕事はパソコンの普及と優れたシステムにより人手が殆ど要らなくなっているのが現実です。今後もこの流れは続いていくことでしょう。

本当にかわいそうだなと思うのが、マスコミなどに騙された人たちでしょう。苦労して受験勉強をして、名門の大学などへ進んでもそれが文系であったために、手に職をつけられなかった人は多いと思います。早稲田や慶応ならば、人脈ができるのでしょうが、それ以外は、時間とお金をムダにし、就職活動でも相当苦労し、社会にでても苦労されている方も多いと思います。また、転職に失敗して、坂を転げ落ちるように転落した人も多いと思います。これが理系で手に職をつけているのであれば、「技術はお金に換えられる」ため、比較的容易に職を見つけることも可能ですが、社内政治、社内営業に明け暮れていた人たちは、社外に出れば、市場価値は極端に低く、職を見つけるのに苦労している人は本当に多いと思います。仮に見つけることができたとしても、不本意な仕事や、給与は大幅に下がるものが多いと思います。

労働市場も、基本的に需給で決まっており、需要の高いもの、希少性の高いものについては、高い給与が支払われるものが多くなっています。モノの値段も、原則的に需要と供給で決まっており、インターネットの登場により、価格が収斂するスピードは以前にも増して、早くなっています。労働市場は、日本の人口の減少、それから市場が縮小する事によって、急激に縮小します。ダウンサイジングに追いつくことができればよいのですが、縮小均衡と言うのには、多くの会社は対応できず、倒産するところがたくさん出てくると思います。代ゼミが、大幅なリストラをし、校舎を減らすことを英断したのはその象徴的なものですし、拡大一辺倒であったコンビニチェーンも、店舗の閉鎖をするところが目立つようになりました。地方へ行けば、コンビニ戦国時代の後を見ることができ、前にコンビニの店舗があったと思う場所が転用されているところを相当数みかけます。今後、限界集落やコンビニチェーン店の力関係、店舗立地によって、さらにこの集約が進むことになると思います。

それにしても、厳しい時代になりましたな。高度経済成長期を経験した団塊の世代にとっては、異次元の体験でしょう。世が世なら、若い人たちも、こんな辛い思いをせずに済んだでしょうが、便利になった、その代償と言うのは、ブーメランのように私たちに返ってきているのを見て、本当にもぐら叩きゲームのような感じすら受けます。問題を解決しても解決しても、問題が噴出してくる。本当に皮肉だなと思います。

テレビや雑誌、そしてそれを見て洗脳を受けた人たちは有名私立大学の文系がカッコいいというイメージを持っていますが、成功しているのはごく一部です。圧倒的に、就職後安定をしているのは、理系の人なんですよね。これを忘れてはいけません。最近はネットの台頭により、自分で知識を獲得することができるようになり、現実が理解されてきましたが、それでも社会に出て自分の失敗に気づく人が多いのが事実です。