2021年3月26日金曜日

スエズ運河を塞いで判明したエヒメオーナー【愛媛船主】

スエズ運河で座礁事故が起こり、スエズ運河が完全にストップしてしまいましたね。本当にこのような事故は、このような最悪なタイミングで最悪な時に起こることが多く、半導体工場で火事が立て続けに起き、多方面に影響がでていることが良い事例ではないでしょうか。トヨタのJITのカンバン方式も時代についていけなくなったかと思ったほどです。

さてさて、サプライチェーン、命綱を寸断する国際物流の停滞は、現在のコンテナ不足(ポジショニングの問題が殆どです)など新型コロナに起因して起こっているものが多いのですが、改めて、ロジスティクス(兵站)について考えさせられます。物流の仕事は、やって当たり前と思われていますが、ここ最近、人手不足や不可抗力の事象により注目されてきたような気がします。酷い話だと思いますよ。トラックの運転手の方や乙仲のような通関業者、更には倉庫で働かれている方々は、我々の便利な暮らしを支えている割には、冷遇されています。本当に人間らしい生活ができるように、なんとかしてもらいたいもんです。働き方改革で24時間営業の店はだいぶ減ってきましたが、物流も当日届くとか、翌日届くのが当たり前という考え方はやめてもらいたいもんです。

さて、本題に入りますが、以前掲題の通り、エヒメオーナーのところで解説したとおり、四国の愛媛県、今治市に船のオーナーが集積しており、正栄汽船は、そのなかでもダントツの実績を持っています。もっといえば三菱重工、IHI(ジャパンマリンユナイテッド)、三井造船、川崎重工などの名門が凋落したあと、国内最大手になった今治造船の戦略子会社です。これは、アメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック)が飛行機のエンジンを作り、さらにリース会社を自前で持つことで囲い込みができた事例にそっくりです。さらに税制による償却によって利益を圧縮できる身内があれば営業展開にはもってこいです。

ちょっと前に、モーリシャスの座礁事件で商船三井の船が長鋪汽船株式会社から借りているものということが判明し、船主のお仕事が世に知れ渡りましたが、本当にここ最近は、日本の色んな面での劣化が目につくなと思います。正直、村田製作所や日本電産のような特殊な部品を作っているところ以外は、ほぼ壊滅で、自動車も近い将来、中国にコテンパンにされると思います。いままで中国をバカにして、日本は20年も30年も進んでいると吹聴していましたが、あっという間に追いつかれてしまいました。気の遠くなるような時間のかかる素材や基礎研究関係はまだまだアドバンテージがありますが、コモディティ化されたものについては、日本は全くスピード感がありません。ITもそうですが、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた日本の面影はもはや無いのです。

三流国家になり、ベトナム、インド、インドネシア、中国のような新興国だと思っていた人たちに我々が雇われる日がもう、目の前に来ているのです。今回は、オペレーターが台湾のエバーグリーンでしたが、オーナーは正栄汽船でした。船のチャーターの契約は非常に複雑で、裸傭船かどうか細かい契約は知りませんが、マスコミの情報操作や国際世論のことを考えるとある程度は表にでてしまうような気がします。

ちなみにこのような狭隘な運河や港湾内は水先人(パイロットと呼ばれ一般には水先案内人と呼ばれる)が乗船して、運行船舶の船員が操舵をするのではなく、水先人が操縦をします。ちなみに、私が知る限り、事故を起こしても水先人ではなく、船側の責任にされてしまうはずです。ほんと、酷い制度ですよ。正栄汽船・今治造船の檜垣幸人さんが謝罪をしていましたが、あれは今後のセールスや世界的事件になったから謝罪をしているだけで、ホント責められるところは他にあるだろう?と思ってしまいました。縁の下の力持ちとして、国際物流を支える会社が家族でやっていたり、従業員が20人やそこらぐらいの会社で、総資産5000億円とか、愛媛船主という仕事を知らない人には驚きでしょうが、モーリシャスの座礁事故、スエズ運河の座礁事故で、世の中に知られてしまったわけです。目立たぬようやってきた会社なのでしょうが、こんなところで目立ってしまうとは思わなかったのでしょう。ギリシャや香港、日本の今治に偏在する船のオーナー、今後も注目を集めることでしょう。




エヒメオーナー【船主というお仕事:ざっくり2兆円の船価!!】

https://www.akudaikan.com/2012/05/blog-post_19.html


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