2014年5月19日月曜日

労働力不足と雇用のミスマッチ【トラックドライバー不足とモーダルシフトが進まない現状を考える】

東京オリンピックや東北の震災復興などで、建設業で人が足りないということだけでなく、ファーストフードなどのサービス業を中心とした人手不足は、ここ最近よく取り上げられることで、すき家やワタミなどでは、人手不足から店舗を閉鎖したり、営業時間を短縮しているという話を聞きます。今はネット前世の時代ですから、ツイッターやブログで情報が瞬時に拡散されます。企業側も名誉毀損だとか風説の流布だとか言って戦うのでしょうが、実際、現場の事実が公にされたらどうでしょうか?力関係でやりたい放題やっているパワハラ企業が世の中にはたくさんありますが、需要と供給の関係で政府さえきちんとした施策をしてくれれば、ブラック企業は徐々に駆逐されていくと思っています。

さてさて、一方でブラック業種とも形容される物流ですが、一時期は若年層で高収入を得られ、独立の道も目指せ、努力次第で裸一貫からのサクセスストーリーも描けましたが、競争の激化と規制緩和によってそれも供給がだぶついてしまい、需要と供給の関係だけでなく、取引先との力関係から単価が思いっきり下げられるようになりました。そんなことから労働環境が悪化し、働く人が定着せず、しかも運転免許を失ったら仕事ができないというようなギリギリの生活を強いられるような環境です。

時代を遡ってみると、かつては鉄道が貨物輸送の主役でした。都心部から地方まで張り巡らされた鉄道路線は、築地のような青果や鮮魚の市場まで乗り入れられており、横浜なども港湾地区に鉄道路線が乗り入れられていました。これが変わってきたのが、モータリゼーションの時代が到来し、高速道路の整備だけでなく、車の性能が上がってきたという時代背景もあります。複合的な要因で、鉄道からトラックの輸送に切り替わってきたと言えますが、突き詰めると二つの要因に絞られると思います。一つ目は「コスト」二つ目は「ジャストインタイムのドアツードア輸送」ということだと思います。鉄道は、基本的に目的地まで何度かの積み替えを要しますし、時間の制約も受けると。あとは、国鉄からJRへ移ったことも大きいと思います。いわゆる上下分離という奴でしょうか。

トラックは、重量税や自動車税、軽油税などで間接的に道路整備のお金を払い、あとは高速道路では通行料として、高速道路利用料を支払っていますが、一般道に関してはどうでしょうか?基本的には通行は無料です。これが鉄道でしたらどうでしょうか?都心部や東海道線のような列島の大動脈のような高頻度の需要があるところでしたら話は別でしょうが、北海道などのローカル路線だったら話は別です。保守にかかる費用対効果が全く異なってきます。JR北海道の赤字体質の原因はそこにあります。一日、下手をすると10本以下しか通らない専用の線路に費用をそこまでかけることはできません。理由は、それが運賃に全て反映されるからです。一方、国道などの一般道はどうでしょうか?バス会社は、皆が共有している道路を一時的に通るだけです。これじゃ、同じ土俵で戦うことはできません。バス会社が強いというのはその構成原価に理由があります。JR貨物が函館のもうちょっと向こうで脱線したのは、保守の問題であり、運行頻度が高く、保守が賄えたのでしたらあのような事故は起きませんでした。こんなところにも経済合理性の影響はでています。とは言っても、列島改造論の時のように、地方も含めた均衡ある発展というのは、国鉄が大赤字になり解体されたように、今からシステムを当時に戻すことは二度とありませんし、少子高齢化が凄まじい勢いで進み、限界集落がどんどん増えている中で、採算性が見込めない場所への積極的な投資はできません。

あとは、二酸化炭素の削減で注目された船はどうでしょうか?RoRo船といわれるタイプの船で、下関やら大洗、小樽、苫小牧などでよく見ることができるタイプの船です。これは、トラックがそのまま乗り込むことができるタイプのものですので、便利なのですが、いかんせん、時間がかかりすぎます。あとは、天候の影響も大きく受けるといったところでしょうか。

そんなこんなで、船や鉄道による輸送は、二酸化炭素を減らすという面では、注目されても、利便性や費用の面では、勝手が悪いからです。それが物流の90%がトラックによって支えらているという現実です。国際物流になると重量ベースでは、99%は船になるんですけどね・・・・。

2015年までに14万人のトラックドライバーが不足するといいますが、amazonなどのロングテールで伸びた会社やネット販売などの躍進により、市場はどんどん伸びています。ただ、求められる内容はどんどん厳しくなっており、翌日配送など当たり前です。それが、ドライバーに負担になっているのは言うまでもありません。ドライバーの待遇改善は、需要と供給の関係から早急になされるべきですが、力関係の問題とコストの問題もあり、すぐにはできないと思っています。これが安易に移民で解決すれば良いと言うことになれば、日本市場はさらに滅茶苦茶になるでしょうが・・・・・。

今になっては遅いですけど、規制緩和ってして良い分野と悪い分野ってあると思うんですよ。公共性の高い分野や影響力が大きい分野については、政府が関与しないとそのしわ寄せは、労働者へ行ってしまいます。通信などは、もっともっと競争が進んでよい分野ですが、あの業界は、基本的に自分のところで回線を持っている業者が強く、しかも資本力があるところでないとできませんから、固定電話ではNTTの独占、携帯電話ではドコモ、ソフトバンク、AUの3社の寡占状態です。こういうところで、政府はもっとやらないといけませんがね。

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