2014年7月14日月曜日

即、急激に始まる日本の人口減少【限界集落、人手不足、2020年を待たずして直面する数々の問題】

すきややワタミの問題で、飲食業の人手不足が社会一般に知られましたが、それは内部では5年以上前にわかっていた問題だと思うんですよ。実際、現在は飲食業やコンビニを中心としたサービス業は、中国人を中心とした外国人に頼らないと回らない状況です。私が、日本に帰ってきて驚いたのは、かなりのコンビニでたどたどしい日本語を話す人が働いており、時々、会話がかみ合わない時があったことです。これが、都心部だけでなく、地方でも見られ、本当に驚きましたよ。

話を聞くと、語学留学ってことで、日本語の専門学校などで学びながら、コンビニや飲食店で働いているそうなんです。正直、外国人が日本語を学んでも、それほどメリットはないと思うんですよね。これが20年前だったら、日本語ができることってとてもメリットになったと思うんですけど、今は英語ができることのほうが価値が高いと思うんですよ。あとは、専門技術ですね。日本語なんかに時間を割いている暇があったら、世界で通用する専門技術を身につけた方が価値があると思うんですよ。

コンビニの仕事などは、熟練度が低くても回るように、マニアル化されており、それほど高度な技能が要求される訳でもないんですよね。と言うことは、誰でもできるので、給与が将来的に上がらないって事になると思うんですよ。これが、機械の整備とか、プログラムを組めたり、電気のことがわかったりすると価値は極めて上がると思うんですよね。このあたりは、移民政策などの一環として、低熟練労働者にビザをバンバン出していることから、私レベルでは、何もできないんですよね。正直、将来の国益にならない語学留学なんかで、ビザを出すのはどうなのかなと思うんですよね。これが日本にバンバン利益をもたらしてくれるのなら別なんですがね。二極化って、これから凄まじい勢いで進むと思っています。

それよりも、日本人の多くは、貧乏になりました。この多くは、政策の失敗だと思っています。30年近く前には、既に「少子高齢化問題」ってわかっていたことなんですよね、実は。医療費が膨れていくのもわかっていた、そして年金がやばくなるのもわかっていたんですよ。これは、当時から議論されていたことで、常に問題を先送りしてきましたからね。そして、最も問題なのは、世代間の相互扶助の考え方の下に年金が設計されていたことなんですよ。そもそもの考え方って、人生50年、人生60年の頃の設計なので、人口動態は、ほぼ綺麗なピラミッド状になっていたんですよ、当時は。そして、人口が増え続ける拡大再生産の考え方で、将来の世代に負担をしてもらおうってことで、コンセプトができたんですよね。目先は良くとも、もう、今は完全に躓いちゃっています。ある程度のセーフティネットを確保しながらも、自分で積立た年金を使う方式にシフトしないと、200%破綻します
からね、今の状況じゃ。解決は、よほどの、打出の小槌がでてこない限りムリでしょう。だって、昔は、胴上げ型って言われていて、10人、20人で、一人の高齢者を支えていたのが、数人で一人を支える騎馬戦型になり、今は一人が一人以上を支えるような肩車型へ移行しています。確かに、日本の高度経済成長を支えてきた世代の貢献度は高いですが、若い人はさすがに夢も希望も持てず、かわいそうだなって思いますよ。どんどん貧乏になっていって、現在も駄目、将来も駄目だったら、生きていく望みなんてでてこないですから。

どこの国でもだいたいそうですが、人口ボーナス期って、すごい勢いで成長をするんですよね。で、人口オーナス期になるとそのツケを払うが如く、見事に衰退をしていくと。日本って、ほんの20年前までは、国の借金も400兆円もなかったんですよね。それが2000年を超えて、500兆円を超え、10年前の2004年には800兆円程度になったと。それが2013年には、1000兆円を超えた訳ですから、とんでもない増加率です。選択と集中を即座にしなければ、本当に突然死ですよ。ただ、日本の良いところは、技術を持っているということです。技術の蓄積って、基礎から応用に至るまで、5年や10年という期間じゃとてもじゃないですけど、できないんですよね。日本電産の永守氏が言っているように、技術の育成には、それこそ何十年単位の時間がかかるんですよ。それに、高専(高等専門学校)や大学などの教育機関も、しっかりと基礎から教えられるようになっていますし、習熟度によって教えられるような階層的な学校のヒエラルキーもあると。これって、官僚の間では、おそらく20年くらい前にはわかっていた話だと思うんですよね。大手企業が自前で持っているシンクタンクなんかもおそらく、人口動態の分析をし、更にはイギリスなどの先輩である先進国を分析してわかっていたことだと思います。これからは、今まで以上に驚くくらいのスピードで、人口の減少が進んでいきますよ。税金を払う人が少なくなり、税金を使う人たちがどんどん増えているので様々なところでシステムが破綻するでしょう。

個人的には、批判はあると思いますが、地方の費用対効果の低い公共事業を絞って、太平洋ベルトの人口密集地への投資へ集中すべきだと思うんですよ。新東名、新名神、このあたりは、今後想定される災害に備えて、当初の高規格で作るべきなんですよ。既存の東名・名神のバックアップという意味もありますし、メンテナンスも必要でしょうからね。それと同じことが、中央リニアにもあります。正直、汎用性のないリニアよりは、新幹線でやってもらいたかったんですけど、中央リニアは、東海道新幹線のバックアップになります。それに、東海道新幹線は、完成から半世紀も経っていますので、大規模なメンテナンス工事が必要です。こういうところには、優先的にお金をつぎ込むべきでしょう。外環、圏央道、中央環状線、このあたりもそうです。

2020年を待たずして、破綻する自治体もでてくるでしょうし、交通弱者が大量に発生し、維持が困難になる自治体もでてくるでしょう。そうなると、私がずっと提唱をしているコンパクトシティが注目される訳です。その意味では、シンガポールの都市は、模範的な事例でしょう。正直、スプロール化しても、コストばかり将来にかかるだけで、メリットは、目先しかありません。人口減少が、既に始まっており、今後、そのスピードは、加速度的に進む訳ですから、実際にそれに気づいた時には、手遅れだったっていうことにもなりかねません。もう、今から動いても、手遅れのところが殆どだと思いますけどねw

人手不足もこれから様々な業種で起こると思います。ですので、早くロボットやOA、FAなどの省力化の技術を導入するだけでなく、業界を再編したりする必要があると思います。ダイヤモンドでは、2020年以降について書いていますが、オリンピック前にも、少なからずこの問題が噴出すると思っています。単に、ワタミとすきやがたまたま問題として露呈しただけで、これって、氷山の一角なんですよね。建設業も今後、新設よりもメンテナンスのニーズが高まってくると思います。メンテナンスだけで、新設を上回り、既存のインフラのリニュアルもしないといけないですけど、リニュアルできないところがたくさん出てくるでしょう。それに、製造業なんかそうですが、高付加価値とか言って、今あるものにどれだけ付加価値が付けられるかって言うと、正直付けても意味がないものが多いというのが結論でしょう。強いて言えば、自動運転とかで既存の職業が奪われていくことでしょうか。まだ、完全自動運転には、自動車本体もそうですが、インフラの方をどうにかしないといけません。制御するのがシステムであれば、電気の安定供給もそうですしね。

それよりも、日本に忠誠を誓わないくせに生活保護を受けて、働くことができるのに働かない外国人を本国へ強制送還させないといけないと思いますよ。こんなに、手厚く税金で保護する国は、世界広しとは言え、日本ぐらいですよ。だって、日本語がまともに話せない人が、出稼ぎで日本に来て、車を運転しているぐらいですから、所得もそこそこあるのでしょう。ふつうは、その国の言語が話せなかったらビザもださないでしょう。日本の将来を担う、若い人たちの就業機会が無くて、他の国であればビザが下りないような低熟練外国人をなぜ入国させるのかと、憤りを感じることすらありますよ。普通、自国民を優先させるでしょう?それに、本当に生活保護が必要な人はたくさんおり、更には、まじめに働いているのに、生活保護より低い金額しか稼げないという現状をどうにかしないといけないと思います。

グラフィック1 



























http://diamond.jp/articles/-/55978

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