2025年12月28日日曜日

なぜシャープのザウルスはiPhoneになれなかったのか?【アップルに先んじること約15年】

アメリカのビジネススクールのケーススタディに出てきそうですが、私はシャープのザウルスがIphoneに成り得たと思うんですよね。シャープペンシルを作ったシャープ、そして液晶テレビで一時代を築いたシャープが呆気なく消えてなくなりました。

個人的には、弱電は総負けで 、今後も世界市場を席巻することは二度とないと思っています。私は、日本の家電を選んで買いますが、様々な面で周回遅れとなった日本の家電メーカーが世界と伍することは極めて厳しいと思っています。それは、自動車に関してでもです。トヨタは、まだまだ強いですが、中国の追い上げは半端無いと思っていますし、想像以上に速いスピードで追い上げているからです。それが家電の分野で先行して進んだだけで、自動車でもいずれは同じ事が起こると思います。

さて、話をシャープのザウルスに戻すと時代が早すぎたのとマーケティング手法が違ったことでしょうか。そして、もっとも大きいのは、パソコンが電話となり、それがビジネスではなく、一般人が普段の生活の中で使える道具となったことなんじゃないでしょうか。

Imodeが出た時に、ドコモが世界で技術面でトップに躍り出ましたが、そのトップも一瞬で陥落しました。そして、国内市場でも、ドコモ一強があっという間に陥落しました。ドコモは、アップルのエコシステムで、決済で30%も取られたくないという思いから、iPhoneを当初は採用しなかったこと、更には販売台数のコミットが高すぎて、踏み切れなかったところもあったと思います。

色々な問題があり、ドコモの首位陥落もあっという間で、AUやソフトバンクが同じくらいのシェアになる三つ巴状態になりました。そして極めつけは、MVNOの普及でしょうか。そんなことで、ドコモが凋落するのはあっという間でした。そして、代々木のビルを売却して、リースバックすると・・・・・。考えてみると、アメリカへ投資しして一兆円損失を出したり、インドでも同様に損失を出しても平気なぐらい儲かっていたのが信じられないぐらいですよ。

シャープがジョブスと組んでいたら・・・・とか、ビルゲイツに売り込んでいたら、時代は変わっていたかもと思いましたよ。あと、OS市場もですね。

あんなこんなで、アメリカ企業がITだけでなく、アマゾンに代表される小売にほぼ独占・寡占に近い状態まで追い込まれて、見るも無惨な状態です。今後は、製造業のなかでもノウハウがモノをいう素材系、そして豊富なオペレーションが活かせる分野の製造業ぐらいしか、生き残れないような気すらします。

Palmもほぼ、消えてなくなりましたが、私はザウルスを振り返ると発想は本当にシャープだと思ったんですよね。あれが、携帯機能を内蔵できていたら、時代は変わっていたのかなと思うこともあります。


① 時代を先取りしすぎたが「目的」が違った

ザウルス

  • PDA(電子手帳)の延長線

  • 対象:ビジネス・技術者

  • 「できることを増やす」「高機能化」が価値

iPhone

  • 電話+音楽+ネットを誰でも使える体験に統合

  • 対象:一般消費者

  • 「考えなくても使える」ことが価値

👉
ザウルスは「賢い道具」、iPhoneは「生活の一部」。


② UI/UX思想の差(これが最大要因)

ザウルス

  • ペン入力前提

  • メニュー階層が深い

  • 操作は「説明書が必要」

iPhone

  • 指操作(マルチタッチ)

  • 直感的UI(ピンチ・スワイプ)

  • 説明書不要

📌 日本メーカーは「機能=価値」から抜け出せなかった
📌 Appleは「使い心地=価値」を徹底


③ OS・開発者戦略の差

ザウルス

  • 独自OS(Linux系)

  • アプリは少数・閉鎖的

  • 開発者が集まらない

iPhone

  • iOSを世界共通で提供

  • App Storeで開発者に利益機会

  • 爆発的にアプリが増殖

👉
端末 vs プラットフォーム
勝負の土俵が違った。


④ 経営判断と「成功体験の呪縛」

シャープ

  • 家電メーカー思考

  • ハードを作って売る

  • 既存事業(液晶・白物)が主軸

Apple

  • 「体験」を売る会社

  • ハード・OS・サービスを一体設計

  • 電話業界の常識を壊す覚悟

📉 シャープは「失敗しない判断」を選び続けた
📈 Appleは「賭けに出た」


⑤ 通信・キャリアとの関係

日本

  • キャリア主導(iモード、仕様縛り)

  • 端末メーカーは下請け的立場

Apple

  • キャリアと対等交渉

  • UI・仕様はApple主導

👉 日本メーカーは「自由に作れなかった」


⑥ 「誰のための商品か」が最後まで定まらなかった

ザウルスは…

  • 技術者向け?

  • ビジネスマン向け?

  • 一般向け?

常にブレていた。

iPhoneは…

  • 最初から「全人類」向け


総括(一文で)

ザウルスは「できること」を追い、iPhoneは「したいこと」を叶えた。

名鉄の名古屋駅開発の白紙化【大成建設JVの辞退に起因】

もともと21世紀初頭には、2000億円の開発費と言われていたものが、中止の発表がなされたときの開発費が8800億円、単純に4倍に膨れたものが、結局は一兆円以上かかるということで中止となりました。理由は、職人等を確保できないということですが、本音は違うでしょう。

理由は、データセンターや物流施設など、短期間で利益率が高く、簡単な仕事のほうが良いという経営判断が働いた可能性が高いです。それを鉄道の供用しながらの建設で、極めて難易度が高く、しかも工期も長いとなるとリスクは半端ないです。

大成建設は、ここ最近、色々やらかしています。世田谷区役所、そして札幌でのホテルでの取り壊しなど。相川社長が、高採算案件にシフトするのはわかりますよ。


1. 名鉄名古屋駅再開発計画とは

名鉄名古屋駅および駅周辺エリアの一体再開発

商業業施設、オフィス、ホテル、バスターミナル、広場などを備えた複合施設建設

鉄道駅のホームとコンコースの拡張(既存2線→4線化)

リニア中央新幹線開業を見据えた「スーパーターミナル」機能の強化

名鉄の空港(中部国際空港)アクセス機能の向上

 2. 「延期 / 未定」になった理由(背景)

① 人材確保の困難(施工体制・入札辞退)

施工を請け負うゼネコン側から入札辞退が発生し、必要な建設人材の確保が困難になりました。

この入札辞退は2025年11月26日付で提出されており、解体工事や新築工事の施工体制構築が困難と判断されています。

→ これにより、工事開始時期の大幅遅延が確実となったと名鉄が公式に説明しています。

② 建設コスト・資材の高騰

人手だけでなく、建設資材価格の高騰もプロジェクト全体の収支・スケジュール計画に影響しています。

名鉄社長も会見で「想定以上に資材費や施工条件が厳しく、現行計画のまま進められない」と述べています。

3. スケジュール見直しの実態

2026年度に既存施設(名鉄百貨店本店・グランドホテル等)の解体着手

2033年度に一部(1期)開業(駅リニューアル・商業施設など)

2040年代前半に全面完成(駅4線化など)という中長期スケジュールでした。

4. 背景にある社会・産業的要因

今回の延期・見直しの背景には、単に名鉄側の都合だけでなく、以下のような社会・産業的な状況も影響しています:

◆ 建設業界全体での人手不足

日本の建設業界では、慢性的な人手不足が深刻化しており、大規模プロジェクトでは特に必要な技術者・作業員の確保が困難になっています。

(今回の案件でもゼネコン側の辞退理由がまさに「人材確保の難しさ」です)

◆ 資材価格の高騰・工期の長期化リスク

世界的・国内的な資材高騰や、長期間にわたる工事に対するリスクが企業側のコスト計算に影響しています。

◆ リニア中央新幹線との整合

名古屋駅周辺はリニア中央新幹線の開業と整合させる大規模都市計画の一部でもあり、これらのタイミング調整もプロジェクト全体の意思決定に影響しています。

5. 今後予想される展開

現行計画の再検証・見直しを優先

共同事業者と協議を継続し、新たなスケジュール策定を行う

ニデック(旧日本電産)の特別注意銘柄入り【永守帝国は維持できるのか?】

モーレツ社長、永守重信が一代で築き上げてきた帝国がどうなるのか、気になるところです。正直、今まで、買収王として、一度も買収を失敗しなかった永守が失敗したのが牧野フライスなんですよね。TAKIZAWAまでは成功でしたが、牧野フライスで、駄目だなと確認しましたよ。

その後の特別注意銘柄入りなので、永守も寄る歳には勝てなかったのだなと。歳をみたら81歳ですもん。バリバリやっていた60代までは、その眼力もすごかったですが、後継者選びで失敗し、その後は、皆さんご存知のとおりです。

永守は、稀代の天才です。それに、代わりになる人はいません。いたら、自分で事業をやっていますよ。そんな普通のサラリーマンをやってきた人間が、こんな天才の後継者になれるわけ無いんですよ。というわけでAIに聞いてみました。


1. 永守重信氏の退任

永守重信氏(81)は2025年12月19日付で代表取締役および取締役会議長の職を辞任し、非常勤の名誉会長に就任しました。これは本人の意思による辞任と発表されています。

2. なぜ退任したのか(背景)

不適切会計処理疑惑の発覚と調査

3. 「永守氏が居なくなるリスク」はどうか

過去の日本電産の有価証券報告書では以下のようなリスクが明記されていました。

「永守重信氏の突然の離脱があった場合、事業や経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある」

(いわゆるカリスマ経営者依存リスクとしての記載)

これは、創業者・長年の経営トップである永守氏が経営の中核にいたことから、経営の継続性や投資家の信頼性という観点でリスク要因として書かれていたものです。

4. 市場・投資家の反応

永守氏退任発表後は、一部で株価が上昇する場面もあり、「体制刷新の第一歩」と評価する動きも出ています。

一方で、有価証券報告書や監査の問題が解決していないため、投資家の不安が完全に払拭されたわけではありません。