もともと21世紀初頭には、2000億円の開発費と言われていたものが、中止の発表がなされたときの開発費が8800億円、単純に4倍に膨れたものが、結局は一兆円以上かかるということで中止となりました。理由は、職人等を確保できないということですが、本音は違うでしょう。
理由は、データセンターや物流施設など、短期間で利益率が高く、簡単な仕事のほうが良いという経営判断が働いた可能性が高いです。それを鉄道の供用しながらの建設で、極めて難易度が高く、しかも工期も長いとなるとリスクは半端ないです。
大成建設は、ここ最近、色々やらかしています。世田谷区役所、そして札幌でのホテルでの取り壊しなど。相川社長が、高採算案件にシフトするのはわかりますよ。
1. 名鉄名古屋駅再開発計画とは
名鉄名古屋駅および駅周辺エリアの一体再開発
商業業施設、オフィス、ホテル、バスターミナル、広場などを備えた複合施設建設
鉄道駅のホームとコンコースの拡張(既存2線→4線化)
リニア中央新幹線開業を見据えた「スーパーターミナル」機能の強化
名鉄の空港(中部国際空港)アクセス機能の向上
2. 「延期 / 未定」になった理由(背景)
① 人材確保の困難(施工体制・入札辞退)
施工を請け負うゼネコン側から入札辞退が発生し、必要な建設人材の確保が困難になりました。
この入札辞退は2025年11月26日付で提出されており、解体工事や新築工事の施工体制構築が困難と判断されています。
→ これにより、工事開始時期の大幅遅延が確実となったと名鉄が公式に説明しています。
② 建設コスト・資材の高騰
人手だけでなく、建設資材価格の高騰もプロジェクト全体の収支・スケジュール計画に影響しています。
名鉄社長も会見で「想定以上に資材費や施工条件が厳しく、現行計画のまま進められない」と述べています。
3. スケジュール見直しの実態
2026年度に既存施設(名鉄百貨店本店・グランドホテル等)の解体着手
2033年度に一部(1期)開業(駅リニューアル・商業施設など)
2040年代前半に全面完成(駅4線化など)という中長期スケジュールでした。
4. 背景にある社会・産業的要因
今回の延期・見直しの背景には、単に名鉄側の都合だけでなく、以下のような社会・産業的な状況も影響しています:
◆ 建設業界全体での人手不足
日本の建設業界では、慢性的な人手不足が深刻化しており、大規模プロジェクトでは特に必要な技術者・作業員の確保が困難になっています。
(今回の案件でもゼネコン側の辞退理由がまさに「人材確保の難しさ」です)
◆ 資材価格の高騰・工期の長期化リスク
世界的・国内的な資材高騰や、長期間にわたる工事に対するリスクが企業側のコスト計算に影響しています。
◆ リニア中央新幹線との整合
名古屋駅周辺はリニア中央新幹線の開業と整合させる大規模都市計画の一部でもあり、これらのタイミング調整もプロジェクト全体の意思決定に影響しています。
5. 今後予想される展開
現行計画の再検証・見直しを優先
共同事業者と協議を継続し、新たなスケジュール策定を行う
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