2012年4月4日水曜日

人生50年から80年へ、そして前提の崩壊


「制度疲労」と言う言葉を良く聞きますが、日本は完全な制度疲労だなと。まず基本的に、大前提が崩れていることがあります。そりゃ、50年も前に想定した前提が時代が変われば、壊れるに決まってるでしょ。それにしても、この変化は早すぎて、想定できないというのも現実ですが・・・・。色んな複合的な要素はありますが、そもそもは、多産多死型→多産少死型→少産少死型への変化が根底にあるんでしょね。そして、私がいつも馬鹿の一つ覚えのように言っている「殆どすべての組織はピラミッド型でないと維持できない」という原則に反し、見るからに安定感のない形になり、実際、衰退していくと・・・・。まぁ、当初の設計・想定より平均余命が5割り増しになれば、制度疲労するのは当然であり、歪がでるのは当たり前のことなんですけどね。

1)平均余命の増加、人生50年から80年へ1.5倍へ
2)緩やかなインフレを想定していたものが逆にデフレに
3)エネルギーコストの急激な上昇
4)新興国の躍進と東側諸国が加わった大競争時代

今まで、右肩上がりの成長をしてきたこともあり、日本はうまく、気付かれずに搾取できてきた社会だったと言っても過言ではないと思います。搾取されていても、成長していたので、それほど不満がたまらなかったのは非常に大きなことですが、今は、当時の制度設計の大前提がモロ崩れてしまって、年金の負担がムチャクチャ重くなり、現役世代にその負担がもろかかっています。また、本来であれば引退している人がが引退しないため、有能な若い人の就業機会が奪われています。

シンガポールなんかは、本当に厳しい社会で、基本的には自分の面倒は自分で見ろという国であり、年金も自分で積み立てて、それを自分のために使うという制度です。日本のように、自分の払った額の数倍もの年金をもらうことができるというのはおかしな話だと思います。

批判は多いと思いますが、医療費の9割がここに投入されていると言われています終末医療の見直しと年金制度の見直し、それから語弊はありますが、それをどうにかしないといけないと思います。

日本の経済成長のシステムを多く取り入れて、構造もそっくりになってしまった東南アジアの諸国、そして東アジア諸国も、すぐさまこの問題に直面をすることになり、実感が出始めた頃には糖尿病と同じように、手遅れになりますが、ホント、諸悪の根源は、医療技術がいたずらに高度化されてしまったことですね。ホント、もともと人間とは、90歳とか100歳とかまで生きるように設計はされていないわけで。無理があるわけなのですよ。子育てが終わったら、次の世代に移るというのが一般的なのが動物の世界ですからね。とは言っても、弱者の保護と言ったセーフティネットは機能させるべきで、私の言いたいのは、弱者を切り捨てろと言うわけではなく、適切な根拠に基づいた尊厳死などの導入です。


●特集:高齢化問題
http://members2.jcom.home.ne.jp/the-hill/sub8-koreika.htm
日本では生まれてくる子供が減り、高齢化が進むと活力のない社会となり大変な社会問題だとして大騒ぎするけど、ヨーロッパでは高齢化率(65才以上が全人口に占める比率)15%以上の高齢化社会は20年前から経験されており、日本だけが特異なのではないようである。
日本での高齢化率はは1995年に14.6%(イギリス15.9、スエーデン17.6、ドイツ15.5)、2000年に17.3%(2.190万人)、2005年に19.6%、2025年に27.4%となり以後は30%程度で推移するようである。
2010年から戦後のベビーブームの団塊の世代が加わってくるので一挙に増加するのが特徴である。その時には270万人/年が現在は110万人/年である。

さらに全人口の推移を見ると日本は2007年に1億2778万人でピークとなり以後減少していき2050年には1億人となり、2095年には6000万人となると推定されている。

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