2012年3月31日土曜日

決算を乗り切ったシャープの今後


多くの企業が、円安、そして株高で3月30日(31日が土曜のため)の決算の基準日を見て、ほっと胸をなでおろしているんじゃなかろうかと。まぁ、決算と言えば、とりあえず、3月31日の決算を例の自殺が多くて有名な台湾の鴻海精密工業の資本注入によって生き永らえたシャープですが、韓国のサムスンに買収されるんじゃないかという私の思惑とは違いますた。ホントギリギリでのタイミングでの資本注入でしたからね。場合によっては、自己資本比率が40%と割と高かったですけど、減損会計できちんと評価したら、債務超過とかになってた可能性も十分にありましたからね・・・・。ホント、経営陣は、崖っぷちに立たされた選択だったんじゃなかろうかと。

ホント、生き永らえたと言っても、茨の道を突き進むことには変わりなく、主導権を奪われてしまって、液晶と太陽電池の二事業に社運をかけた会社ですから、それが外れた時はホント大変だ罠と。おまけに「Cash is King」ですから、足元をみられて、やり手の鴻海にバンバン買い叩かれて、軒を貸して、母屋を乗っ取られるとなるんじゃないかと思っています。ホント、風前のともし火のように、伝統ある日本企業が凋落していく光景は、辛いものですが、あきらかにこの場合は、世界の変化のスピードについていくことができなかった、経営のミスとでも言ったところだと思います。

基本的に、付加価値とは上流が多くつけることができ、任天堂やキーエンス、それから日揮などのプラント会社やゼネコンがこのビジネスモデルに該当します。逆に下流である製造工程は、薄利多売のビジネスモデルであり、製造設備を莫大に抱えてしまっては、変化に対応できない恐竜のようなものであり、ここに社運をかけてしまったシャープは、まさに恐竜のようなものかと。ただし、上流だからと言って、生き残れるとは限らず、必ずしも付加価値をつけることができるとは限りません。

個人的には、法貨換算で9兆円もの売上を上げている鴻海が、その規模から下請けに甘んじているとは思えず、中国人の野心を持った血を引き継いでいる台湾人ですから、サムスンやLG、パナソニックのようなところへの対抗馬になって、将来的には下請けではなく、自社ブランドで攻めてくる可能性も十分にありますね。そのための、踏み台に過ぎないと。

まぁ、アップルのIphoneやIpadの大躍進を陰で支えていたのが、この鴻海であり、アップルと組んで場合によっては、えげつないことをやってきそうな気もして、目が離せないですな。

それにしても、世界の巨人どもは本当に大きくなりすぎて、小粒の日本企業は太刀打ちできないですな。そして、R&Dなど、日本企業のコアとも言える技術開発が目先のお金を節約するためにおざりにされてきたわけで、このツケは、5年、10年後にボディブローのようにきいてくると思います。

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